世界各国のCEO(最高経営責任者)が自社の経営・IT戦略をどう描いているかを調査・分析したIBM CEOスタディレポートの最新版「IBMグローバル経営層スタディ CEOの視点:破壊者との競争と共創」が発行されています。このレポートから浮かび上がるのは、デジタライゼーションや破壊的イノベーションに果敢に挑む先進企業CEOたちのリアルな姿です。
先進CEOの半数がコグニティブ技術を重要視
最初に、CEOの最大の関心事は何かについて尋ねた結果を見てみましょう(図3)。グラフにあるように、法規制、マクロ経済要因、社会経済要因、市場要因、人材・スキルといったCEOマターとされる6つの関心事の中で、テクノロジーが3年連続でトップになっています。
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では、世界のCEOは、テクノロジーに対し中期的にどんな戦略を持っているのでしょう。図4は、今後3~5年でビジネスを変革する重要テクノロジーは何かを尋ねた結果で、上述したさきがけ企業とマーケットフォロワーとの違いを示しています。
グラフにあるように、さきがけ企業のCEOの半数がコグニティブコンピューティング(Cognitive Computing)を挙げています。マーケットフォロワーのCEOより19%多く、またIBMによると、経営層全体の回答と比べても35%多い結果とのこと。
回答の選択肢にコグニティブが入っているのは、Watsonを提供するIBMらしいところではありますが、大手企業のCEOの間で数年前までは実用レベルに至らなかった“みずから思考するコンピューティング”への期待が相当に高まっていることがうかがえます。
ここで、クラウドとIoT(Internet of Things)に対するさきがけ企業のCEOの重要度が低めなのは、先進的な企業の間でそれらはすでに採用済みであることが考えられます。一方で、モバイルは依然として、さきがけ企業/マーケットフォロワー共に重要視されています。製品/サービスの顧客やパートナーに向けたモバイル戦略と、社内でのモバイルの業務活用の両面でまだまだ活用の余地があると見られているのでしょう。
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