[市場動向]

年齢確認やレジ袋の有無など店頭での確認作業を無線通信で自動化─JCB

2024年5月17日(金)日川 佳三(IT Leaders編集部)

ジェーシービー(本社:東京都港区、JCB)とコンサルティング会社のイマーゴは2024年5月16日、年齢確認やレジ袋の有無といった店頭での各種確認作業を近距離無線通信で自動化する購買体験プロジェクト「近づいてチェック」においてシステムのプロトタイプを開発したと発表した。iPhone/Apple Watch向けアプリと店舗レジ機材で構成するリファレンスモデルを用いた動作テストを始めている。今後、実際の店舗での実証実験を予定している。

 JCBとイマーゴは今回、購買体験の煩雑化を、近距離無線通信(UWB: Ultra Wide BandまたはBLE: Bluetooth Low Energy)とスマートフォンアプリを用いて解消する仕組みとして、「近づいてチェック」プロジェクトを開始し、システムのプロトタイプを開発した。リファレンスモデルはiPhone/Apple Watch向けアプリと店舗レジ機材で構成しており、関係者による動作テストも始めている(図1)。

 「現在、キャッシュレス決済の多様化や各種ポイントサービスの増加、会員証アプリやデジタルクーポンの普及、企業の環境対策などにより、レジ決済時に顧客の選択と意思表示が必要なタスクが増加している。店員との口頭確認が増えてレジでの購買体験は煩雑なものとなり、また、聞き間違いなどによるトラブル発生の原因となっている」(両社)

図1:レジ袋の有無など店頭での各種確認作業を無線通信で自動化するシステムの概要(出典:ジェーシービー、イマーゴ)
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 開発したシステムにおいて、買い物をする顧客は、支払い方法、ポイントカードの有無、酒類やたばこ購入時の年齢確認、レジ袋の有無など、店頭で確認する内容を、スマートフォンのアプリに「チェック項目」として事前登録する。

 店頭では、スマートフォンアプリと店舗レジ機材がUWB/BLEを用いて通信する。スマートフォンを取り出したり操作したりすることなく、自動的にアプリ上で情報を店頭レジ機材に送信する。

 店舗レジ機材の店員側の画面には、顧客が事前に設定したチェック項目が表示される。画面はタッチパネルになっており、チェック項目をその場で変更可能である。顧客向けスマートフォンアプリと店舗レジ画面は多言語に対応している。

 今後、今回開発したリファレンスモデルを基に、実際の店舗での実証実験を予定している。また、九州大学を拠点にするイマーゴのシンクタンク「iQ Lab」においてユーザー調査や商用化に近い環境での実証実験を計画している。さらに、和洋九段女子中学校高等学校(東京都千代田区)などの協力を受けながら、課題を抽出してUXモデルを改善し、早期の商用化と社会実装を目指す。

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