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東京ガスiネット、AIが熟練PMに面談して暗黙知を蓄積、プロジェクト計画書のレビューに活用

2026年10月15日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)

東京ガスグループの情報システムを管理する東京ガスiネット(本社:東京都港区)は、熟練したプロジェクトマネージャ(PM)の経験や判断基準を、AIによる面談で聞き出して蓄積し、後進の育成に使う仕組みを構築した。経験の浅いPMが作成したプロジェクト計画書のレビューなどに使う。構築を担った日立ソリューションズが2026年10月14日に発表した。

 東京ガスiネットは、東京ガスグループの情報システムを管理している。同社では、システムの構築や運用をリードするプロジェクトマネージャ(PM)の判断基準やノウハウが暗黙知としてPM個人に依存し、PMが退職すると引き継げない状況だった。プロジェクト管理の品質を維持して高めるためには、暗黙知を資産として残し、人材育成に活用する手段が必要だった。

 暗黙知を資産として残すため、2種類のAIサービスを組み合わせた(図1)。(1)AIが面談で質問して熟練PMから知見を引き出す「面談支援AIサービス」(日立ソリューションズが提供)と、(2)知見を蓄積して活用するための生成AI基盤「Alli LLM App Market」(Allganize Japanが提供)である。

図1:東京ガスiネットが構築した、熟練したプロジェクトマネージャの経験や判断基準をAIによる面談で聞き出して蓄積し、後進の育成に使う仕組み(出典:日立ソリューションズ)
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 面談の流れは、以下の通りである。まず、面談支援AIサービスが会話形式で質問し、熟練PMが答える。回答にはPM独自のノウハウが含まれる。この回答からAlli LLM App Marketが暗黙知の手がかりになる部分を見つけて深掘りの質問を作り、面談支援AIサービスが熟練PMに投げる。質疑応答をテキスト化したものをAlli LLM App Marketが読み込み、含まれる暗黙知を蓄積してナレッジベースを作る。

 面談のシナリオは、プロジェクト管理の知識体系であるPMBOKをもとに作った。PMが遭遇しやすい想定ケースを質問に盛り込み、熟練PMがどう判断するかという思考過程を聞き出す。日立ソリューションズによると、面談支援AIサービスを単独で使うと、知見を十分に引き出せず15~20分で終わるケースが少なくないが、今回構築した仕組みではPMとの面談が50~60分に及んだ。

 今回構築した仕組みには、2つの用途がある。1つは、経験の浅いPMが作成したプロジェクト計画書のレビューである。AIが、蓄積した熟練PMの知見を踏まえ、指摘やアドバイスを返す。もう1つは、面談を受けたPM自身の評価である。AIが面談結果からスキルをスコア化し、強みと課題、次に取るべき行動を示す。

 同社は今後、プロジェクト管理での利用を広げるとともに、熟練者の暗黙知の継承が課題になっている他の業務への展開を検討する。東京ガスグループ内での展開も視野に入れる。

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