AIをはじめとする先進テクノロジーの進化・普及から市場の参入障壁が取り払われた今、エンタープライズ=大手企業とて既成のビジネスモデルにしがみつくだけではこの先、生き残れない。求められているのは「自前主義」からの脱却だ。AIマスト時代の新たな挑戦にあたって、カギとなるアプローチの1つに、伝統や習慣に縛られない斬新なアイデアと最先端テクノロジーを持つスタートアップとの共創にある。本特集では、エンタープライズ企業が、気鋭のスタートアップやベンチャーの技術やアジリティをいかにして取り入れるかという共創・協働にフォーカスする。自前主義からオープンイノベーションへ──企業のIT部門や事業部門のデジタルリーダーに向けて、その最前線をお伝えする。
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国産フィジカルAI基盤の研究開発に取り組むNoetraは2026年7月16日、ソニーグループ、ソフトバンク、NEC、本田技研工業の中核出資企業4社および国内外のパートナー企業と共に、マルチモーダル基盤モデルの研究開発に着手したと発表した。今後のロードマップとして、2028年度にはオムニモーダル基盤モデルを開発し、2030年度には、空間認識などの物理特性を理解する「実世界ネイティブAI」の実現に取り組む。

ジェーシービー(JCB、本社:東京都港区)が、加盟店向けコールセンターに電話自動応答クラウドサービス「アイブリー」を導入し、人材不足解消と業務変革に取り組んでいる。2026年6月25日に開催された「Voice to Value 2026 夏」(主催:IVRy)に、導入プロジェクトを主導した3人のキーパーソンが登壇し、トータル約4000件にもおよぶ架電テストとチューニング作業、セキュリティ要件をクリアした合意形成の裏側などを語った。
2026年4月10日、ソフトウェア開発の人材教育事業を営むコードクリサリスが「CC Bootcamp Demo Day」なるイベントを開催した。ソフトウェアエンジニア、プロダクトマネジャー、プロダクトデザイナーの3ロールでチームを組み、3カ月間でソフトウェアの内製開発する人材をトレーニングするプログラム「CC Bootcamp」の受講生による成果発表会だ。2チーム14人の受講生が、実務を想定したプロダクト開発の成果と成長の軌跡を披露した。

AI技術の進化はかつてない速度で進み、ビジネスや組織のあり方に大きな変化をもたらしている。ITリーダーは日々飛び交う情報の中から本質を見極め、戦略的に評価する視座が求められている。本連載では、国内外の最新動向やユースケースに詳しいリサーチャーが、AIとデジタル活用をめぐる注目のトピックや背景を読み解き、ビジネス変革に向けた思考の材料を提示する。第3回となる今回は、世界的なインキュベーターである米Y Combinatorが配信するポッドキャスト番組「Lightcone」を手がかりに、同番組で紹介された複数のAIスタートアップの事例 を参照しつつ、AIプロジェクトをPoC(概念実証)止まりにしないための課題発見の視点や事業化の勘所を整理する。

AIががロボットや機械に搭載され、センサーで現実世界を認識して自律的に判断・行動する「フィジカルAI」が注目を集めている。菱洋エレクトロは、フィジカルAIの到来を見据え、普及期に向けた基盤整備の支援を打ち出している。同社の説明会に、協業パートナーのNVIDIAと、サービスロボット/AIを手がけるavatarin(アバターイン)のキーパーソンが登壇。フィジカルAIにおけるデジタルツインの重要性やサービス業の領域における可能性について語った。

スズキ(本社:静岡県浜松市)は、生産現場における品質管理や作業効率の課題を解決するため、AIスタートアップのOlloが提供する、製造業特化の作業分析AIソフトウェア「Ollo Factory」を国内工場に導入した。ウェアラブルカメラやスマートフォンで撮影した作業動画をアップロードすると、AIが作業を要素ごとに分割して解析する。熟練者と新人の動作比較や作業のバラつき分析を通じて生産性と品質の向上を支援する。Olloが2025年12月23日に発表した。

中堅・中小/スタートアップ企業が事業を軌道に乗せ、成長に向かうためには、IT/デジタルリーダーの時宜を得た采配と決断が欠かせない。米オラクルが2025年9月に開催した「SuiteWorld 2025」では、クラウドERP「NetSuite」のユーザー企業を代表して、Reddit、Shopify、BERO Brewingなどのリーダーが登壇し、グローバル展開やIPO、M&Aといった事業を取り巻く変化にどのように立ち向かったのかを紹介した。本稿では先進ユーザーたちが語った戦略と取り組みをお伝えする。

Runetale(ルーンテイル)は2025年8月20日、メッシュ型VPNサービス「Runetale」を発表した。同年9月から提供する。VPNゲートウェイを介さずにデバイス間が直接暗号通信するP2Pアーキテクチャを採用し、セキュリティ、高速性、運用容易性を同時に実現するとしている。企業向けの管理機能を、Runetaleに出資するHENNGEと共同で開発している。

事業環境の加速度的な変化に対応するために、自社にない知見や技術、人材を求めて組織間の共創に取り組む企業が増えている。JTC(伝統企業・既存企業)にとっては特にスタートアップの先鋭的な発想や技術力、機動力は、新たな製品開発や市場開拓の武器となりうるが、それらを生かす共創のあり方とはどのようなものか。2025年2月に開催された「Manufacturing Japan Summit」(主催:マーカス・エバンズ・イベント・ジャパン・リミテッド)のパネルディスカッションに、スタートアップのベルデザインおよび協業したコイズミ照明、象印マホービンのキーパーソンが登壇。共創の狙いや成果、取り組みのポイントについてディスカッションを繰り広げた。

NTTドコモ・ベンチャーズ(NDV)は2024年1月17日、AI研究開発スタートアップのSakana AI(本社:東京都港区)に出資したと発表した。Sakana AIとNTTは既存の大規模言語モデル(LLM)を有機的に連携させるビジョンを共通して掲げている。Sakana AIは同社として初めての資金調達を実施し、約45億円を日米のベンチャーキャピタルなどから調達。日本企業からはNTTグループ、KDDI、ソニーグループから出資を受けており、NTTグループが日本における筆頭株主になった。
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アズジェントは2026年4月21日、AIセキュリティスタートアップの英Hirundo AIと提携し、同社のマシンアンラーニング(機械的忘却)ソフトウェア「Hirundo」を2026年5月中旬から日本で提供すると発表した。モデルを再構築することなく、学習済みのAIモデルからリスクの原因となる情報を除去する。価格(税別)は年額2280万円で、販売目標として初年度30件を掲げる。

深層学習が革新をもたらしているのは生成AIに限らない。原子・分子スケールにおける物質の組成や結晶構造、それらに由来する機能や物性を予測・探索する領域でも、ディープラーニング(深層学習)は不可欠な技術となりつつある。有名なのがバイオ分野でタンパク質の立体構造を予測する「AlphaFold」だ。そんな中、深層学習で原子レベルのシミュレーションを高速化するクラウドサービスを手がける日本のAIスタートアップ、Matlantisが、汎用原子レベルシミュレーター「Matlantis」において新規の無機材料の発見に貢献する新機能を2026年1月28日に提供を開始した。

2025年秋、街やヒト、モビリティの未来を実証する実験都市「Toyota Woven City」がオープンした。トヨタグループの変革を象徴する大規模プロジェクトを支えるのが、ウーブン・バイ・トヨタである。2026年3月11日に開催した「データマネジメント2026」(主催:日本データマネジメント・コンソーシアム〈JDMC〉、インプレス)の基調講演に、同社代表取締役CEOの隈部肇氏が登壇。「モビリティカンパニー変革に向けた取り組み」と題した講演では、自動運転技術の領域におけるデータ活用、車載ソフトウェア基盤「Arene」による柔軟な開発、Woven Cityにおけるヒト、モノ、情報、エネルギーの実証など、データやAIを駆使した先駆的な取り組みが示された。
Key Persons
米ガートナー ディスティングイッシュト バイスプレジデント アナリスト ジェーソン・ウォン氏
AIエージェントを“市民開発”する「NCAB」とは? 黎明期のAIエージェント市場を読み解く
生成AI/LLMの次なるテクノロジーとして注目を集めるAIエージェント。これをノーコードで構築・運用するための「NCAB(ノーコード・エージェント・ビルダー)」と呼ばれるツールが増えている。それらはどんな機能を備え、ユーザー企業にどんな価値をもたらすのか。そもそもAIエージェント市場はどんな構造になっているのか。米ガートナーのアナリストに聞いた。
コードクリサリス 共同創業者 兼 CEO カニ・ムニダサ氏
コードクリサリス創業者がたどり着いた、ソフトウェア開発を成功に導く“3つの役割”
ITエンジニアを育てても十分な成果が出ない、優秀な人材を集めてもチームが機能しない。日本企業のソフトウェア開発が抱える本質的な問題は何か──シリコンバレー流のブートキャンプを日本に持ち込んだコードクリサリス(Code Chrysalis)共同創業者/CEOのカニ・ムニダサ氏はその答えを明確に示す。「プロダクトマネジャー、プロダクトデザイナー、ソフトウェアエンジニア。この3つの役割が揃わなければ勝てない」。現在の同社は個人向けの研修プログラムを終了して企業向けに完全移行。3つの役割を3カ月で同時育成するという、国内では類を見ない試みを始めた。システム/アプリケーションの内製開発力を高めたい読者に向けて、カニ氏に変革の道筋を聞いた。
おすすめ連載

シンプルなチャットボットから業務支援や意思決定の補助、さらには自律的に行動するエージェントへ──ここ数年で急速な進化を続けるAIは、企業の業務遂行や価値創出のあり方を根本から問い直すと同時に、テクノロジー全体の再定義や抜本的なビジネス変革にもつながり始めている。企業のITリーダーには、こうした複合的な変化を的確に捉え、戦略的に評価する視座が求められる。本連載では、グローバルな視野と現場のビジネス目線を併せ持つ戦略リサーチャーが、今起きている変化の背後にある構造や力学を分析。デジタルビジネスの次なる変革に向けて、変化の本質を考察する。

AI技術は日々進化を遂げ、社会実装が現実の段階に入っているが、多くの企業ではまだ部分的な活用にとどまり、AIに対する脅威感や不安が依然として存在する。「人間中心のAI活用」を推進するためにはどうすればよいか。本連載では、具体的なアプローチを交えながら、企業がAIをどのように向き合い、活用し、未来の成長に役立てていくかを考察していく。
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![エンタープライズ×スタートアップ [共創最前線]─自前主義から脱却し、オープンイノベーションへ](/mwimgs/4/8/-/img_481b441bf08b1cf0d1e522d15607f3d0259515.png)















