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P2PベースのメッシュVPN「Runetale」、HENNGEの出資を得てネットワーク管理機能を強化

2025年8月21日(木)日川 佳三、河原 潤(IT Leaders編集部)

Runetale(ルーンテイル)は2025年8月20日、メッシュ型VPNサービス「Runetale」を発表した。同年9月から提供する。VPNゲートウェイを介さずにデバイス間が直接暗号通信するP2Pアーキテクチャを採用し、セキュリティ、高速性、運用容易性を同時に実現するとしている。企業向けの管理機能を、Runetaleに出資するHENNGEと共同で開発している。

 Runetale(ルーンテイル)の「Runetale」は、メッシュ(分散)型のVPN(仮想プライベートネットワーク)サービスである。ベータ版のテストを経て、2025年9月から提供を開始する。

 特徴は、VPNルーターなどのゲートウェイサーバー機能を介さずに、デバイス同士が直接暗号通信するP2Pアーキテクチャを採用したこと。P2P通信により、セキュリティ、高速性、運用容易性を同時に実現するとしている。図1は、従来型(ハブ&スポーク型)VPNとの比較である。

図1:メッシュ型VPNサービス「Runetale」と従来型VPNの比較(出典:Runetale、HENNGE)
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 セキュリティ面では、VPNゲートウェイの脆弱性を突くネットワークへの侵入を防ぐ。高速性は、ゲートウェイを中継することによる通信のボトルネックを排除したほか、UDPベースのトンネリング通信プロトコル「WireGuard」により速度低下を抑えている。運用容易性については、ネットワーク構成を簡素化することで設定の多くを不要にした。なお、WireGuardプロトコルを用いるメッシュ型VPNは、Runetaleのほかに、カナダTailscale(テイルスケール)の「Tailscale」などがある。

 デバイス(ノード)にインストールするソフトウェア(Windows、Linux、macOSの各版。後日Android、iOSに対応予定)と、ノード間のP2P通信を管理するサーバーソフトウェア群で構成する。プリンターやクラウド上のサーバーのようにソフトウェアをインストールできないノードについても、特定のノードを経由させることで通信が可能である。

 P2P通信に必要な管理サーバーソフトウェア群を、Runetaleがクラウドから提供する。今後、プライベートクラウドやオンプレミス環境でも動作させられるようにする予定という。また、ノード間の通信許可をユーザーやグループなどに応じて制御するアクセス制御機能のほか、DNSによる管理機能も備えており、ノードをIPアドレスではなくホスト名で指定できる。

 メッシュ型/P2Pのアーキテクチャを生かしたRunetaleのユースケースとして以下を挙げている。

  • リモートワーク用のVPNとして運用し、ゼロトラスト環境を推進
  • 本社と支社などをつなぐ拠点間VPN(Site-to-site VPN)
  • クラウド接続に利用する、従量課金型のAWS Client VPNなどからの乗り換え
  • IoTデバイスとクラウド間の暗号化通信

 Runetaleは、2020年3月に設立されたネットワーク技術・製品のスタートアップ企業。メッシュ型VPNの製品開発にあたって、IDaaS/SSO/アクセス制御の「HENNGE One」を提供するHENNGEから出資を受けている(出資額は非公開、数千万円規模)。HENNGEから出資と技術的サポートを得て、共同開発の形で企業向けネットワーク管理機能の強化に取り組んでいる。具体的には、アクセス制御の高度化、Windows環境との統合、ネットワーク可視化といった機能の開発を進める。

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