[事例ニュース]
王子ホールディングス、全社のデータ活用基盤を構築し、Excel頼りから脱却
2025年12月3日(水)IT Leaders編集部、日川 佳三
王子ホールディングス(本社:東京都中央区)は、グループ全体の経営判断のスピードを上げるため、ドーモのデータ統合/分析プラットフォーム「Domo」を導入した。経営会議での活用から始め、その後2カ月で1万2000人が活用しているという。ドーモが2025年11月27日に発表した。
王子ホールディングスは、1873(明治6)年に創業した国内製紙業最大手である。現在、国内94社、海外123社のグループ会社を展開している。2010年以降は海外事業を強化し、2024年度時点の海外売上高比率は40%を超えている。
同社によると、海外拠点ではダッシュボードによるデータ活用が日常化しているが、国内ではExcelファイルのやり取りが主流で、データを企業の情報資産として活用しきれていなかった。例として、経営会議の資料作成に工数の6割以上を割くといったように、相当な時間をExcelに費やしていたという。
そうした中、データ活用をグローバル水準に引き上げて、グループ全体にデータ活用を促進していくという、経営トップの方針の下でDX推進部が発足。同部が中心となり、王子グループのグローバルDX基盤として、米Domo日本法人のドーモが提供するデータ統合/分析プラットフォーム「Domo」(図1)を導入した。
図1:データ統合/分析プラットフォーム「Domo」の概念図(出典:ドーモ)拡大画像表示
採用にあたっては、スピード感を重視し、データを完璧に整備する前にまずは「見たいもの・見せたいもの」をすばやく可視化する「従来とは逆のアプローチ」(同社)を評価した。
同社によると、2025年4月のホールディングス経営会議で、翌月の経営報告からDomoのダッシュボードを活用することを決定し、そこからデータ活用が一気に全社に広がったという。
その後、経営ダッシュボードの提供、各グループ会社へのDX推進担当の配置、社員向けトレーニングの実施、経営層の本気度を伝えるCEOメッセージ動画の配信など、データ活用を促進するさまざまな取り組みを推進。経営ダッシュボードをリリースしてから2カ月で、対象者1万2000人がデータを活用できる体制を整えている。
王子ホールディングス 執行役員 王子ビジネスセンター代表取締役社長の藤川 健志氏によると、営業担当者がDomoを導入して3週間で営業ダッシュボードを作成したケースもあったという。「自ら課題を可視化して解決法を模索できるツールの導入とフレームワークを活用したアプローチが、スピード感のあるデータドリブン文化の醸成に役立っている」(同氏)。

































