[事例ニュース]
セキュリティの懸念を払拭する「ローカルAI」の強みと、Copilot+ PCを活用した先行事例
2026年3月9日(月)神 幸葉(IT Leaders編集部)
AI活用は「ツールとして使う」段階から、業務プロセスそのものを変革する「仕事の再設計」フェーズへ突入した。一方で、「データは外(クラウド)に出せない」というセキュリティ上の懸念からAI導入が難しい企業もある。2026年3月2日に東京国際フォーラムで開催された「Windows AI Day」(主催:インプレス、特別協賛:日本マイクロソフト)のセッションに、日本AIコンサルティング 代表取締役の香月章宏氏と日本マイクロソフト Windows & デバイス事業本部 パートナーディベロップメント マネージャーの朝比奈洋輔氏が登壇。「ローカルAIで何ができる? Copilot+ PCで描く、次の一手」と題して、ローカルAIの活用による医療や教育での業務改善の事例を紹介した。
AIは「どう使うか」から「仕事の再設計」へ
セッションの冒頭、日本マイクロソフト Windows & デバイス事業本部 パートナーディベロップメント マネージャーの朝比奈洋輔氏(写真1)は、「AI活用は単なるツールから、業務プロセスそのものを変える『AIを使った仕事の再設計』へと移行する重要なフェーズにあります」と語った。
写真1:日本マイクロソフト Windows & デバイス事業本部 パートナーディベロップメント マネージャーの朝比奈洋輔氏AIがこれだけ急速に社会に浸透していく中で、企業・組織はどのように「AIの使い方」をシフトしていけばよいのか。朝比奈氏の発言がセッションの問題提起となった。
このセッションに登壇した日本AIコンサルティングは、AIと人が協働する世界を見据え、そのための環境を提供するデザインテック事業を展開している。
業務ログ分析ツール「ACT」、オンプレミスサーバーやエッジデバイス上で動作する生成AI「Insight Buddy」の提供に加え、ユーザー企業の「AIを動かす環境づくり」を支援する。これらの中核となるのが、多様なアプリケーションにAI機能を付与するプラットフォーム「IB-Link」だ。異なるシステムを統合し、APIを通じてAI機能を提供することで、既存のアプリをAI対応へとスムーズに移行させることを可能にしている(図1)。
図1:IB-Linkの位置づけ(出典:日本AIコンサルティング)拡大画像表示
業務における「クラウド」と「ローカル」の使い分け
現在、AIの利用はクラウドサービスが一般的だが、セキュリティや通信環境の制約が導入の障壁となるケースも少なくない。その課題を解決する方法として、同社が提案するのが、デバイス側で処理を完結するローカルAIの活用だ。
朝比奈氏はまず、日常業務におけるクラウドAIの利便性を挙げた。例えば、「Microsoft Teams」で利用できるCopilot機能を使えば、会議の内容を即座にテキスト化し、資料作成などに活用できる。「業務の入口にAIを配置することで、スピードを劇的に向上させる」(同氏)という、クラウドAI活用の典型例だ。
一方で、ローカルAIには独自の強みがある。日本AIコンサルティング 代表取締役の香月章宏氏(写真2)によると、最大のメリットは、クラウドで処理してはいけない業務やデータをローカルでで処理できることだという。
秘匿性の高い情報を含むデータを扱う場合、クラウドへのアップロードはリスクとなる。「これがローカルAIであれば、外部にデータを出さずに安全に処理が可能です。当社ではBCP(事業継続計画)の観点からも、クラウドとローカルを併用するハイブリッドなシステム設計を採っています」(香月氏)。
写真2:日本AIコンサルティング 代表取締役の香月章宏氏香月氏の言うハイブリッドなAIの使い方に、朝比奈氏も賛同する。そのうえで、「当社はAI体験を塗り重ねる大きなキャンバスとして、Windowsを提供しています。重要なのはユーザーが最初に触れる場所にAIがあることです」とマイクロソフトが目指す“Canvas for AI”のビジョンを説明した。
AI処理に特化したNPUを搭載したCopilot+ PCは、クラウドAIだけでなく、必要に応じてローカルAIを快適に動かすことができる。「ユーザーが最初に触れる場所にあるAI」を具現化したデバイスと言えるだろう(図2)。
図2:WindowsはAIを活用するためのキャンバスで、AI活用の入口に位置するのがCopilot+ PC(出典:日本マイクロソフト)拡大画像表示
●Next:医療、コールセンター、教育機関の課題とローカルAIの使い道
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