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[IT Leaders Tech Strategy LIVE AIエージェントの戦力化はIT部門の仕事 自社特化の生成AI活用基盤を築く]
生成AI導入が迫るIT部門改革―従業員エンゲージメント向上に貢献するRidgelinezの処方箋
2025年12月10日(水)
企業での生成AI活用の推進にあたっては、導入手法やIT部門の在り方、組織風土、従業員エンゲージメントなどいくつもの課題が存在する。活用を円滑に軌道に乗せるには、どう対応を図るべきなのか。Ridgelinez 上席執行役員 Partner, Architecture & Integration Practice Leaderの岩本昌己氏が、2025年11月12日に開催された「IT Leaders Tech Strategy LIVE AIエージェントの戦力化はIT部門の仕事 自社特化の生成AI活用基盤を築く」(主催:インプレスIT Leaders)に登壇し、同社の知見を基にあるべき道筋を示した。
提供:Ridgelinez株式会社
生成AIの導入成功に向け採るべきアプローチ
反復業務の解放による業務効率化や、付加価値の高い社内データの可視化による高度な情報共有、ひいては新たなイノベーション創出の策として、生成AIに対する企業の関心は高まる一方だ。ただし、生成AIは多くの企業でいまだ馴染みが薄く、導入の進め方で戸惑うIT部門も多い。
この状況下、「生成AIの採用の狙いは、ひとえに事業成果を上げること。その点を念頭に、導入に際しては成果創出を何より重視し、確実な成果が見込める小規模パイロットを繰り返すアプローチを採るべきです」とアドバイスするのは、Ridgelinez 上席執行役員 Partner, Architecture & Integration Practice Leaderの岩本昌己氏だ。
Ridgelinez 上席執行役員 PartnerArchitecture & Integration Practice Leader 岩本昌己氏
具体的には、以下の4ステップから成る持続的なサイクルでの用途開拓と横展開を推奨しているのだという(図1)。
- ガバナンスと組織体制の整備:AI CoEなどの専任組織を設置し、体制と利用ルールを整備
- 小規模パイロットからのスケーリング:効果が見込めるユースケースの見極めと、成功パターンの横展開
- データ、インフラ、技術基盤の整備:社内データやデータモデルなどの整備
- 人材、スキル、文化の変革:AIの全社活用を目指す
図1:生成AIの導入に際しては、成果創出を第一の目標に掲げる。実現に向け「ガバナンス」「パイロット」「データ・インフラ」「人・スキル・文化」のサイクルを回し続ける拡大画像表示
一連の取り組みはIT部門にも変革を迫る。どんなツールであれ、成果を上げるには現場の深い理解が欠かせない。ただ、システム運用・保守を主たる仕事にしてきたがゆえの、IT部門と事業部門との距離の遠さは長らく指摘されてきた通りである。IT部門の現場に対する知見の乏しさは、生成AIで目指す目的設定の不適切さによる「PoC止まり」という状況にも表れている。
従来からの、現場の要求に応じた個別システムの導入に起因するデータのサイロ化問題も悩ましい。生成AI活用にはデータが極めて重要だが、「サイロ化した状態ではAIの学習基盤になりにくいのが実態です」(岩本氏)。
「従業員エンゲージメントの低下」にはご用心
ほかにも、開発外部委託による技術の取り込みスピードの遅さや、野良ボットに象徴されるITガバナンスの不十分さなど、問題は山積している。こうした課題を踏まえ、IT部門は必要な知識習得と共に意識改革も推し進め、「生成AI活用の戦略的推進者」や「ガバナンスとリスク管理などの設計者」など4つの役割を担う存在となり、現状からの抜本的な脱却を目指すべきと岩本氏は訴える(図2)。
図2:生成AI導入に伴う多様な問題の克服には、IT部門の変革が必要だ拡大画像表示
一方で、生成AIの利用拡大により、岩本氏が今、とりわけ危惧するのが、「従業員エンゲージメントの低下」だ(図3)。理由は、自身の業務が生成AIに奪われるという不安や、質問相手がAIに置き換わることによる社員間の人間関係の希薄化、人材評価や意思決定プロセスへのAI導入に対する心理的な抵抗感など多岐にわたるという。AI人材が優遇されることへのスキルが不足した人材の不満、利用の構えが不十分なことに起因する戸惑い・不安などもある。これらを課題と捉える企業は、生成AI活用に先進的に取り組んできた企業を中心に少なくないという。
図3:生産性向上がすべての判断の尺度になっては、従業員が企業内での自身の役割や価値を結果的に見失いかねず、従業員エンゲージメントが低下する可能性もある拡大画像表示
組織的に活動する企業にとって、従業員の足並みの乱れは当然、看過できず、何らかの策の実施が急務となっている。従業員エンゲージメントの向上が、企業の重要な経営課題に位置付けられているのも、まさにこの点に起因する。
そこでの策として岩本氏が提示したのが、「企業の価値判断基準は生産性だけではないことを社内に周知徹底する」という考え方である。
「生成AIに着目する理由は生産性向上が見込める点にあるのは確かです。ただ、それがすべての判断の尺度になっては、従業員が企業内での自身の役割や価値を結果的に見失いかねません。自身の存在意義の認識につながるフォロー活動を充実させるべきです」(岩本氏)
AIアバターの活用で社員の不安感の解消を
フォロー活動は、以下の6点が挙げられる。
- AIに代替されない「判断・創造・共感」領域の明確化による「役割の再定義」
- AIを使い組織として成果を上げるプロセス設計のための「協創文化の醸成」
- AIリテラシーとヒューマンスキルを併せて育てることでの「スキル育成」
- 透明性の高いガバナンスのための「AI活用の方針・評価基準、倫理基準の明確化」
- AIを使いこなす支援機会の提供による「キャリア支援」
- 経営者と従業員の意思疎通を生成AIが支援することによる「AIを活用したエンゲージメント向上」
このうち、6 の「AIを活用したエンゲージメント向上」の具体例として紹介したのが、AIアバター生成・動画作成サービスを使い構築した、従業員と社長との循環的なコミュニケーションの仕組みだ(図4)。
図4:生成AIで作成したアバターによるスピーチは、従業員の期待や不安に応えるための策の1つだ拡大画像表示
「AIアバター生成・動画作成サービスを使えば、学習済みの社長のスピーチ映像を基に、別に用意するテキストを精緻なアバターが読み上げる映像を簡単に作成できます。視聴した社員の声をアンケートなどで回収し、集めた声から生成AIに最適なメッセージを作成させることで、従業員の不安や意見、期待に応えるための社長からの継続的なメッセージングが実現します。社長の話は、たとえアバターであっても、社員への心理的な影響は小さくないでしょう。無論、経営課題の1つとして、これら以外の施策の組み合わせも肝要です」(岩本氏)
AIドリブンカンパニーへの脱却に向けた“分水嶺”
その先に岩本氏が描く、目指すべきAIドリブンカンパニーとして企業が満たす条件が次の4つだ。
- 意思決定・業務・顧客接点にAIが溶け込む企業・組織
- AIと人間の協働による持続的な価値創出
- AI活用を通じた従業員エンゲージメントの向上
- IT部門はAIと人間の距離を近づける重要な役割を担う
これからの時代においてIT部門が企業価値向上にどれだけ貢献できるかは、AIの利用効果の最大化に向け現場とともに考える「パートナー」、さらに、AIによる価値創出を企業全体に拡張する変革の「ドライバー」としての活動を通じ、“人×AI×データ”で「データドリブン」により企業・組織の未来を設計し、実現に向け牽引できるかが鍵を握るという(図5)。
図5:現場の「バートナー」や企業の生成AI活用の「ドライバー」として、「データドリブン」をけん引することが生成AI時代でのIT部門の新たなミッションとなる拡大画像表示
「生成AI時代では、迅速かつ確実な業務遂行に向け、AI・データサイエンスのリテラシーや生成AIを活用した業務プロセスの設計力、MLOps/ガバナンス構築力がIT部門に新たに求められます。ただ、それ以上に大切になるのがAIによる新たな企業像の具現化を推進するファシリテーション力です。我々はテクノロジーに加え、その面でも企業を大いに後押しします」(岩本氏)

●お問い合わせ先
Ridgelinez株式会社
URL:https://www.ridgelinez.com/
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