NTTドコモのスマートライフカンパニー(取材時、現在はコンシューマーサービスカンパニー)は、カスタマーファーストを追求し、約1億人のdポイントクラブ会員一人ひとりに対して、よりお得感や利便性を実感できる最適なサービスを届けるべく、デジタルマーケティング戦略を強化している。この取り組みを支えているのが、2015年に導入して実践を重ね、データ活用の成熟度を高めてきたデジタルマーケティングの統合プラットフォーム「HCL Unica Campaign」だ。
※本稿の内容は2023年7月取材時点の情報に基づいています。記事中に登場する人物の所属、役職は取材時のものです。
提供:株式会社エイチシーエル・ジャパン
膨大な会員の一人ひとりに
適切なタイミングでリーチできる仕組みづくり


NTTドコモは2022年7月、グループの事業拡大と収益創出の中核であるスマートライフ事業の成長加速に向けて社内カンパニー制を導入。より柔軟かつスピーディな経営を実現すべく「スマートライフカンパニー」を新たに設置した(現在はコンシューマーサービスカンパニー)。「あなたと世界を変えていく」というブランドスローガンのもとカスタマーファーストを追求し、NTTドコモの顧客がさらなる“お得感”や“便利”を実感できるサービス提供を目指している。
このスマートライフカンパニーにおいて、デジタルマーケティングの基盤構築や分析技術の整備、事業オペレーションへのデータ活用の推進、データ人材の育成などをミッションとしているのがデータプラットフォーム部である。
同部 データ基盤・データプロダクト担当課長の澤田 流布一氏は、「現在1億人に近い規模に達しているdポイントクラブ会員一人ひとりに対して、最適なタイミングでリーチし、欲しい情報やサービスを提供できる仕組みづくりを担っています」と語る。
とはいえ、この背後で行われるデータ活用は容易ではない。 1億人に近い会員の一人ひとりについて、基本的なプロフィールを含む登録情報のほか、さまざまなサービスや商品を購入したり、キャンペーンやコンテンツを利用したりした行動履歴を蓄積した膨大なトラッキングデータが存在しており、しかもそれらのデータが種別ごとに異なるシステムのデータベースで管理されているのだ。
同部 データ基盤・データプロダクト担当の岩本 一輝氏は、「1億人規模の会員に対してマスマーケティングによる情報発信を行ったのでは、大半の会員にとって迷惑なスパムにしかなりません。かといってピンポイントの目的に沿った会員の抽出に時間をかけていたのでは、アプローチのタイミングを逃してしまいます」と語る。
この課題を克服すべくNTTドコモとして2015年に導入し、データ活用の成熟度を高めてきたのが、エイチシーエル・ジャパンが提供するマーケティングプラットフォーム「HCL Unica Campaign」だ。
「当時から市場では数多くのデジタルマーケティングツールが存在していましたが、私どもが保有する大規模データに柔軟に対応できる処理能力と機能を備えた製品は、HCL Unica Campaignのほかに見つかりませんでした」と澤田氏は、その選定理由を示す。

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デジタルマーケティング基盤の仕組み
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