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[IT Leaders Tech Strategy LIVE 事業成長のカギは[情シスの開発力] 生成AI時代のシステム開発]
日本企業と生成AIが「ちょうどいい関係」を築くための3ステップ、さくらインターネットが提言
2025年4月15日(火)
生成AIを業務に活用する動きが活発化している。2025年2月27日に開催した「IT Leaders Tech Strategy LIVE 事業成長のカギは[情シスの開発力] 生成AI時代のシステム開発」(主催:インプレス IT Leaders)のセッションに、さくらインターネット クラウド事業本部 事業開発部 マネージャーの西田有騎氏が登壇。「日本企業と生成AIが「ちょうどいい関係」を築くための3ステップ 〜国産クラウド事業者の視点〜」と題して、生成AI活用のポイントと、活用を成功に導くための3つのステップを解説した。
提供:さくらインターネット株式会社
石狩データセンターからGPU基盤サービス「高火力」を提供
生成AI活用への期待が高まっている。生成AIは、半導体やインターネットの登場と同じく「歴史の転換点」になる可能性があるとの指摘も多い。一方で、海外サービス利用による国富の流出や貿易赤字拡大のリスクも懸念されている。
そんななか、AIに関わる計算資源の安定供給を確保することが日本の社会・産業の継続な発展のために必要不可欠ととらえ、パートナーと連携して「便利で安心なAIサービス」を支えるインフラの提供に力を入れてきたのがさくらインターネットだ。同社の西田有騎氏はこう説明する。
「2016年から機械学習を行うための高性能GPUを使ったサービスを提供し、NVIDIA社とも当初からつきあいがあります。GPU基盤は、消費電力やCO2排出量を抑制して、計算基盤として拡張していくことも重要です。そうしたなか、当社の石狩データセンターを最適な基盤として提案してきました」(西田氏)

GPU基盤は、1000億円超の投資を計画し、18.9EFLOPSの計算能力を整備して広く市場に供給していく予定だ。また、生成AI向けのGPUクラウドとして提供する「高火力」サービスのラインアップも拡充している(図1)。

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「高火力」サービスには、AI開発に欠かせないGPU「NVIDIA H100/H200」を搭載したベアメタルサーバー「高火力PHY(ファイ)」や、そのVM版「高火力VRT(バート)」、コンテナ版「高火力DOK(ドック)」などがある。GPU基盤をクラウドサービスとして利用でき、大規模言語モデル(LLM)や生成AI、機械学習、科学シミュレーションで高いパフォーマンスを発揮できる(図2)。
「AI関連ソリューションを開発・提供するPreferred Networks様には、LLM開発に高火力PHYを活用いただいています。衛星データプラットフォームを開発するTellus様には衛星データ配信で、高火力VRTを活用いただいています。また、高火力DOKもGitHouse様やAiHUB様に活用いただいています」(西田氏)

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生成AIは大きなメリットをもたらす一方、リスクも内在する
生成AIに対しては、疑問や懸念の声も増えている。西田氏は、よくある質問やそれに対する回答として「生成AIが出した内容はそのまま業務に使えるのか」「生成AIに渡したデータは安全に管理されるのか」「自分たちで生成AIを含むシステムを作るべきなのか」などがあると指摘し、こう訴えた。
「生成AIは大きなメリットをもたらしますが、一方でリスクも内在します。生成AIについては『正しく恐れ』『正しく使える』ことを目指してください」(西田氏)
そのうえで西田氏は、生成AI活用の3つのポイントを挙げた。
ポイント1:生成された結果をそのまま信頼しない
「生成AIは知的財産権を意図せずに侵害する可能性があります。一部モデルやサービスを除き学習データが違法ではない可能性を考慮することが求められます。また、回答に誤りが含まれる可能性もあります。偏ったデータで学習されたモデルなどでのハルシネーションが発生する前提でチェック機構を設けることが重要です」(西田氏)
ポイント2:データの活用にはリスクがあることを考慮する
「保管されるデータは運営する企業の所在地に依存します。生成AIに使うデータが他国の法規で管理される前提で利用することが求められます。また、情報漏えいによるブランド毀損などの信用リスクは大きなダメージとなります。機微情報や秘密情報の処理にいきなり生成AIを使うのではなく、安全なデータから利用していくことが重要です」(西田氏)
ポイント3:将来的な生成AIに対する取り組みを決める
「継続的にエンジニアを雇用し、真の意味での内製化を実現していく姿勢が重要です。また、生成AIに積極的に触れ、正しく使えるユーザーになることも重要です。会社として対応するラインを明確に定めて必要に応じて要件定義までを実施できるようにします(図3)」(西田氏)

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メリット、仕組みを理解して、内製化や外注コントロールの仕組みを作る
では、実際にどのように生成AI利用を進めていけばよいのか。西田氏は、3つのステップで「ちょうどいい関係」を築いていくことが重要だと提案した。
ステップ1:生成AIのメリットや適用シーンを理解する
「利用方法に一定の制限をかけたうえで、社員に生成AIの使用を許可します。その際、社外秘にあたる情報は使わず、簡易的なSaaSから利用を開始し、生成AIのメリットや適用シーンを理解していきます。生成AI活用の導入をスムーズに行うためのガイドラインも各種提供されているので、それらを利用します」(西田氏)
さくらインターネットでも、外部の生成AIサービスを活用しているが、サービスや使い方にガイドラインを設け、人がその中身を精査したうえで利用しているという。
ステップ2:生成AIの仕組みや運用を理解する
「メリットを理解したとしても、いきなり自分たちで作るのではなく、運用などの諸対応についてフォローしてもらえる環境から始めることが重要です。構築環境の管理を徐々に移管し自社で運用や更新できるようにすることで、内製化に必要な全体像を理解できるようになります」(西田氏)
さくらインターネットでは、GPUクラウドで構築する基盤を提供し、顧客ごとの環境構築はパートナリングの形で支援するという。
ステップ3:内製化もしくは外注をコントロールできる状態をつくる
「ニンジニア人材の雇用や社内転職などで体制を構築していきます。『自分たちが理解できていないものは制御できない』という意識が重要です。ときには『時間を金で買う』判断も求められます。業務委託や教育サービスなどの活用も視野に入れます」(西田氏)
実際、さくらインターネットでも、協業や採用などを通じて、従来と異なる領域に挑戦できる体制を構築していったという(図4)。

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最後に西田氏は、次のように強調し、講演を締めくくった。
「生成AIを安全に利用するためには、段階を追って構成技術を理解することが重要です。さくらはパートナーと連携し、便利で安心なAIサービスを支えるインフラを明確な仕様を含め提供しています。そのため全体の理解の足がかりにしやすいことがメリットです。繰り返しになりますが、生成AIを正しく恐れ、正しく使えることを目指してください」(西田氏)

●お問い合わせ先
さくらインターネット株式会社
URL:https://www.sakura.ad.jp/