[事例ニュース]
船舶用エンジンのマキタ、経営ダッシュボードと報告書作成支援AIを内製開発
2025年7月15日(火)IT Leaders編集部、日川 佳三
アマゾン ウェブ サービス ジャパン(AWSジャパン)は2025年7月15日、説明会を開き、中堅・中小企業のユーザー事例を紹介した。船舶用エンジンメーカーのマキタは、経営ダッシュボードと労働災害報告書作成支援AIを内製開発した。在宅介護サービスのやさしい手は、介護記録作成支援AIを内製開発した。
アマゾン ウェブ サービス ジャパン(AWSジャパン)の広域事業統括本部は、国内中堅・中小企業におけるAWSの活用支援を担っている。デジタルビジネスのためのシステム構築や生成AIの活用などを、AWSのクラウドサービス、コンサルティング、トレーニングコンテンツなどの提供を通じて顧客を支援している。
同社 常務執行役員 広域事業統括本部 統括本部長の原田洋次氏は、「日本企業は内製率が低い。内製率を高める支援に力を入れている」(同社)とした。説明会では、AWSを活用した内製開発で成果を挙げた中堅・中小企業のユーザー事例やAIサービスの開発にAWSを活用した事例を紹介した。
マキタ(船舶用エンジン製造)
経営ダッシュボードと報告書作成支援AIを内製開発

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船舶用ディーゼルエンジンを製造するマキタ(本社:香川県高松市)は、基幹業務システムを含む多くのシステムを、AWSで運用している。マキタ 執行役員 情報企画部長の高山百合子氏(写真1)が取り組みを紹介した。
直近では、2025年4月に経営ダッシュボードの稼働を開始したほか、同年6月には労働災害報告書の作成を支援するAIツールを開発し、現在トライアル利用中である。
経営ダッシュボードは、同社の非エンジニア2人が7カ月で内製開発した(図1)。散在しているデータを一元化し、可視化した。高山氏によると、7つのダッシュボード(経営指標、人事情報、エンジン製造情報、労働災害、市場情報など)を構築しており、可視化した指標の数は231に及ぶという。

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クラウドストレージに取り込んだ情報ソース(就労、人材管理、会計など各種SaaSやインターネット上の市場情報など)を基に、BIクラウドサービス「Amazon QuickSight」で可視化している。
労働災害報告書の作成を支援するAIツールは、非エンジニアが1.5カ月で内製開発した。Excelで作った報告書を読み込み、必要な情報が書いてあるかをチェックし、災害発生原因を分析し、対策案を生成する。過去の類似事例や関連する法令も示す。トライアル利用では、災害報告書の提出が確実に早くなる効果が得られたとしている(図2)。

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●Next:Bedrockを使って非エンジニア5人が1カ月でAIアプリを開発
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