オフィス家具・産業用機器メーカーのオカムラ(本社:神奈川県横浜市)は、検索の効率化による生産性向上を目的に、運用中のエンタープライズ検索ソフトと生成AIを組み合わせたRAG構成の社内ナレッジ検索システムを構築した。構築を支援したアグレックスが2025年7月14日に発表した。
オフィス家具や店舗の陳列棚、産業用機器などの製造・販売で知られるオカムラ。1946(昭和21)年に岡村製作所として設立以来、オフィスをはじめ、教育・医療・研究・商業施設、そして物流センターなど、さまざまなシーンにおいて製品・サービスを提供している。
同社では、顧客への提案時に営業から生産部門に製品情報を問い合わせるなど、日々の業務において社内のナレッジベースへのアクセスが必要になる場面が多い。その手段として、これまでブレインズテクノロジーのエンタープライズ検索ソフトウェア「Neuron Enterprise Search(Neuron ES)」や、シナリオ型チャットボットを導入・運用していた(画面1、関連記事:パナソニック、企業内データを横断的に検索できる検索エンジン「Neuron ES」を販売)。

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しかし同社によると、入社してまもない社員は検索に適したキーワードが分からず、これらのツールを使いこなすことができなかったという。「検索で製品マニュアルなどのPDFがヒットしても、熟読して理解するには時間がかかるため、結局、社内の有識者につど質問しなくてはならなかった」(同社)。
生成AIがブームになり、「ChatGPT」もテスト導入したが、社内情報を回答に含めるためには、仕様書やマニュアルを用意して学習させるなど作業負荷が大きかったという。新製品のリリースや法改正のたびにメンテナンスが必要となることから、業務適用の検証を断念している。
オカムラは今回、運用中のNeuron ESと生成AIを組み合わせ、生成AIに社内情報を回答させる、新しいナレッジ検索システムを構築した。Neuron ESが管理するPDFファイルや製品情報のデータベースをRAG(検索拡張生成)の外部データとして扱い、特定のディレクトリに参照元ファイルを保存すると情報が最新化される仕組みを持つ(画面1)。

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