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[データマネジメント2025]

タクシーアプリ「GO」のデータ活用と、Google Cloudが目指す生成AIデータエージェントを解説

2025年5月22日(木)

最先端を進むデータドリブン企業はどのようなデータ基盤を構築し、現状の課題をどのように捉え、次のステップへ踏み出そうとしているのか。「データマネジメント2025」(主催:日本データマネジメント・コンソーシアム〈JDMC〉、インプレス)にGO株式会社の渡部徹太郎氏が登壇し、タクシーアプリGOを活用したデータ活用の取り組みを紹介した。グーグル・クラウド・ジャパン合同会社がGoogle Cloudの生成AIデータエージェントの最新動向について解説した。
提供:グーグル・クラウド・ジャパン合同会社

タクシーアプリ「GO」におけるデータ活用

 GOはタクシーアプリ「GO」をはじめ、法人向けタクシーDXサービス「GO BUSINESS」、ドライバー求人サイト「GOジョブ」のほか、近年では、交通事故削減を支援する次世代AIドラレコサービス「DRIVE CHART」、脱炭素サービス「GX(グリーントランスフォーメーション)」といった多彩なサービスを提供している。

 同社でデータビジネス部 部長 兼 データプラットフォーム グループマネージャを務める渡部徹太郎氏は、「GOアプリのデータ基盤には、ユーザーアプリやタクシー車載デバイス、地図、天気、電車遅延といった多種多様なデータが日々収集、蓄積されており、そのデータ総量は約1.9ペタバイトに達している」と説明する。

写真1:GO株式会社 データビジネス部 部長 兼 データプラットフォーム グループマネージャの渡部 徹太郎 氏写真1:GO データビジネス部 部長 兼 データプラットフォーム グループマネージャの渡部徹太郎氏

 収集されたデータの用途は主に2つ。1つがデータドリブンな意思決定。もう1つがAIなどの予測結果に基づく高度な機能を実装したアプリケーションの提供だ(図1)。

図1:タクシーアプリ「GO」におけるデータ活用の概要図1:タクシーアプリ「GO」におけるデータ活用の概要(※掲載内容は2025年3月時点の情報)
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 このうち前者の意思決定について、データ分析の全体像は図2のような構成となっている。アプリから生成されたデータはいったんバックエンドに収集された後、「BigQuery」で構築されたデータウェアハウス/データマートに格納される。そこでデータ加工を経たのち、データアナリストやデータサイエンティストなどによりLookerやGoogleスプレッドシートを用いた分析が行われる(図2)。

図2:「GO」のシステム全体像図2:「GO」のデータ分析システムの全体像
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「GO」が駆使するGoogle Cloudのツールとは

 このデータ分析基盤において特に工夫しているコンポーネントとして、渡部氏はGoogle Cloudが提供している2つのツールを紹介した。1つは「Dataform」。これはBigQueryでSQLを活用しデータ変換パイプラインを開発・運用するためのツールだ。BigQuery内のデータマート生成に最適な技術として活用している。SQLをGitHubでバージョン管理できることや、生成したTable/View間の依存関係を可視化できること、また、日々継ぎ足される増分テーブルをフレームワークとして表現できるといった多くのメリットがあるという。

 もう1つはPythonを用いてWebアプリを作成するためのフレームワーク「Streamlit」。こちらはPythonでWebの可視化アプリを作成するためのツールとして活用している。通常のBIツールに対してよりリッチな入力を行うことで、データを詳細に可視化できること、そして、緯度経度の位置情報の可視化に優れているという。

 「これら2つの特徴により、例えば、ユーザーとタクシーが出会えないといった問題を調査するにあたって配車IDを基にして、ユーザーとタクシーがどこにいたのかを可視化するWebアプリも簡単に構築できる。このような特徴は、データドリブンに物事を進めていく上でとても役立っている」(渡部氏)

Google Cloudが提供する、データ活用のための生成AIエージェント

 渡部氏に続いて登壇したグーグル・クラウド・ジャパン ソリューション&テクノロジーグループ データアナリティクス スペシャリストの高村哲貴氏からは、Google Cloudの生成AIエージェントの最新動向が解説された。Google Cloudには6つの生成AIエージェントが用意されている(図3)。

図3:Google Cloudの6つの生成AIエージェント図3:Google Cloudの6つの生成AIエージェント
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 このうち、Google Cloudが重要テーマとしているのがデータエージェントだ。「データエージェントは、データに関する業務を民主化し、あらゆるデータワーカーのデータドリブンな意思決定を支援していくもの」と高村氏は強調する。Google Cloudのデータエージェントは、データエンジニアやデータアナリスト、そしてビジネスユーザーと、さまざまなデータワーカーがそれぞれ求める要件を満たすための機能群が提供されている。

①データエンジニアのためのデータエージェント「Gemini in BigQuery」

 「Gemini in BigQuery」はデータエンジニアのためのデータエージェントとして、Googleが開発した生成AIモデルであるGeminiとBigQueryが統合されたものだ。自然言語でのデータ分析が可能だ。

 「GeminiとBigQueryの双方を駆使することにより、自社のメタデータに即したSQLの生成を自然言語で実現でき、そのほかの言語についてもネイティブに支援できることがGemini in BigQueryの優位性」(高村氏)

写真2:グーグル・クラウド・ジャパン合同会社 ソリューション&テクノロジーグループ データアナリティクス スペシャリストの高村 哲貴 氏写真2:グーグル・クラウド・ジャパン ソリューション&テクノロジーグループ データアナリティクス スペシャリストの高村哲貴氏

 高村氏はプレビュー版として公開された「BigQuery Data preparation」についても紹介した。これは、生成AIのアシストにより、データのクレンジングや変換を行うもの。通常のデータクレンジングサービスと大きく異なっているのは、生成AIがどのような修正を行うべきかを自動的に提案してくれることだ。

 「例えば日付型の列で型が違う、通貨のコードであるはずなのに違うものが入っているといった異常を見つけるとともに、クレンジングすべきポイントを自動で提案する。ユーザーはそれを確認してアプライをするだけでデータの補正が完了できるようになる」(高村氏)

②ガバナンスのためのデータエージェント「Automated data insights」

 データセットの中に大量のテーブルデータが存在していた場合、ビジネスユーザーから見た際、どのようなデータが保管されており、どのようなクエリで分析すればいいのか分からないというケースは少なくない。「Automated data insights」は「このテーブルはどのようなクエリを用いて分析されることが多いのか」など、データに関して有意義なインサイトを提供するSQLクエリの生成支援を行う。これにより、よく使われるクエリを特定するとともに、そのクエリとベストプラクティスを活用しデータ分析のスピードと精度の向上を支援する。

 検索についても機能追加が進められており、生成AIによるセマンティックサーチにより、自然言語や曖昧な検索ワードを用いてユーザーが欲しいデータカタログに容易に辿り着けるような機能も実装されている。

③データアナリティクスのためのデータエージェント「BigQuery data canvas」

 「BigQuery data canvas」は、データをマインドマップのような形で段階的に分析したり、自然言語によりデータ分析を行い、ある程度まで自動的に可視化まで導いたりしてくれるもの。また、2024年にプレビュー版として公開された「Looker Studio Pro」の新機能である「Looker Conversational Analytics」は、自然言語でインタラクティブにデータの分析を可能とするもの。例えば「Looker Studio」と「BigQuery」を接続させることで、よりネイティブで高品質な会話型の分析が行えるようにする。

 生成AIの時代を迎え、多くの企業が膨大なデータをビジネスに活用しようと取り組んでいる。高村氏は、「そうした中で、データエンジニアやデータサイエンティストの生産性を高めたり、ビジネスユーザー自らが分析できる能力を向上させたりすることが急務となっている。Google Cloudのデータエージェントを活用することで、誰もが素早く自社データを価値に変えるということが可能となる」と語った。


●お問い合わせ先

グーグル・クラウド・ジャパン合同会社  

URL:https://cloud.google.com/ 

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