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生成AIからAgentic AIへ―HCLSoftware CRO Rajiv Shesh氏に聞く、企業価値創造の課題に応える「X-D-Oフレームワーク」

2025年8月27日(水)

企業のデジタル変革が加速する中、AIの台頭により組織運営や働き方の根本的な見直しが迫られている。こうした時代の変化への対応策を考えるブループリントとして、HCLSoftwareが提唱する「X-D-O(XPERIENCE-DATA-OPERATIONS)フレームワーク」が注目を集めている。このたび、同社のChief Revenue Officer(CRO)Rajiv Shesh氏をはじめとする幹部へのインタビューを実施し、Agentic AIの可能性と企業価値創造の要諦について話を伺う機会を得た。データの統合と適切なオーケストレーションを通じて、企業がAIを最大限に活用するための具体的アプローチと、日本市場における独自の課題や可能性が明らかになった。
提供:HCLSoftware

Agentic AIによって、人が行ってきたサービスのソフトウェア化が進む

写真 HCLSoftware, Chief Revenue Officer, Rajiv Shesh氏HCLSoftware, Chief Revenue Officer, Rajiv Shesh氏

 ChatGPTの登場以降、AIは世界の表舞台に急浮上した。HCLSoftware CROのRajiv Shesh氏は「生成AIの登場によって、人々がAIというものを初めて理解し始めた。それまではAIは、何か特定のプロジェクトに取り組む専門家たちがバックルームで行うものとみなされていた」と説明する。

 Shesh氏によれば、AIの進化は生成AIからエージェント型AI(Agentic AI)へと移行しつつある。Agentic AIとは単なる生成だけでなく、自律的に行動し、意思決定を行い、学習する能力を持つAIシステムを指す。

 「AI活用のステージは3段階ある。第一段階は、AIをアシスタントとして使用する段階で、生産性は10〜15%程度向上する。第二段階は、現在のワークフローにAgentic AIの技術を導入する段階で、30〜40%の効率向上が期待できる。そして第三段階では、ビジネスプロセス自体を変革することで、効率性は75〜80%向上する可能性がある」とShesh氏は分析する。

 Shesh氏は、エージェント型AIがサービス提供の形を根本から変える可能性を示し「Agentic AIはサービスをソフトウェアとして提供するService as Software(サービスのソフトウェア化)につながる」と述べる。従来、データベース管理やセキュリティ監視、アプリケーション保守などの専門的なサービスは人間の専門家やチームによって提供されてきた。しかし、Agentic AIの台頭により、これらのサービス自体がソフトウェア化され、人間の介入なしに自律的に提供されるようになるというのだ。

 具体的な例としてマーケティング分野を挙げ、「キャンペーンの設計、実行、分析などをAIエージェントが行うようになる。これはテクノロジーを提供するだけでなく、サービスをソフトウェアとして提供することを意味する」と強調した。

 こうした変化は不可逆的であり、24時間365日のサービス提供が従業員の交代勤務なしで実現し、大幅なコスト削減と予測可能な結果をもたらす可能性がある。Shesh氏は「AIエージェントの進化は、IT業界のサービス提供方法を根本から変えることになる」と語った。

AIエージェント時代のデータとセキュリティ—HCLSoftwareが示す課題解決の道筋

 Agentic AIの導入において最も重要なのはデータの準備だ。Shesh氏は「リサーチ会社と共同で調査を行ったところ驚くべき結果が出た。AIを運用するためのデータが準備できている、と自信を持っている組織はわずか4%にすぎない」と指摘する。

 多くの組織ではデータがサイロ化されており、統合的なデータビューの構築が課題となっている。HCLSoftwareではこの課題に対応するため、「データ活用のための幅広い技術へ投資し、その技術を基盤として提供、展開している。データソースに手を加えずとも活用可能なメタデータ管理技術、データリネージの識別、データコントラクト構築などの基盤技術から、ベクトルデータベース、リレーショナルデータベース、データウェアハウジング、ETLツールといった幅広いテクノロジーを網羅している」とShesh氏は説明する。

 HCLSoftwareは、自社のソリューション群にAIを組み込み、導入すればすぐにAIを活用できるようにしている。例えば、マーケティングオートメーション製品の「HCL Unica+」についてShesh氏は、「『インテリジェンス・エコノミー』を実現するためのソリューションだ。AIを最優先に据え、顧客データプラットフォームを活用して、一人ひとりの顧客に合わせた高度にパーソナライズされたマーケティング戦略を可能にする。様々なソースからのデータを統合してマーケティングに活用できるのが強み」と説明する。

 従来のマーケティングアプローチは『アテンション・エコノミー』、つまり人々の関心を引くことに焦点を当ててきた。だが現実には人々はこうした継続的な要求にうんざりしている。取引が成立するのは信頼が構築されたときであり、これを『トラスト・エコノミー』と呼んでいる。Unica+は、これら2つの間を橋渡しする『インテリジェンス・エコノミー』を、データとAIを使って実現する。

 人の代わりに行動・判断するというAIエージェントに話を戻すと、セキュリティ面への懸念を抱く人も多いのではないだろうか。Shesh氏は「欧州の製薬業界のお客様が興味深い発言をした。『エージェントが間違った方向に進むと、修正することはできず、再構築するしかない』と。これはエージェント技術の管理において大きなコスト負担になる」と説明する。

 Shesh氏はHCLSoftwareが基本的に重視する点として、「1つはHCLSoftwareのプラットフォーム上で行われるトランザクションへの信頼と確信だ。2つ目はセキュリティ、そして3つ目はスケーラビリティとパフォーマンス。技術において何に焦点を当てているかと問われれば、この3つだろう」と強調する。

 さらに、ソースコードやAPIの脆弱性検査、ソフトウェアサプライチェーンの検証など、顧客が自社のアプリケーションに高度なセキュリティ対策を講じるためのソリューション(HCL AppScan)も提供している。「自動運転車と同様に、ハッキングのリスクは常に存在する。重要なのは、脆弱性を理解し、アクセスポイントを遮断する予防措置を講じることだ」と同氏は強調した。

体験と信頼の新時代—X-D-Oが切り拓くビジネス変革の本質

 HCLSoftwareが提唱するX-D-O(XPERIENCE-DATA-OPERATIONS)は、顧客のAI導入に向けてのブループリントであり、HCLSoftwareのソリューション活用に対応するフレームワークだ。Shesh氏はこのフレームワークについて詳しく説明した(図1)。

図1:AI時代のデジタル変革と価値創造を支援する「X-D-Oフレームワーク」図1:AI時代のデジタル変革と価値創造を支援する「X-D-Oフレームワーク」
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 「X(XPERIENCE)」は、スタッフ、顧客、パートナーのための比類のない体験を構築することを意味する。「我々のポートフォリオには、優れた購買体験を創出するeコマースソリューション、マーケティングテクノロジー(Martech)ソリューションが含まれている。AIを使って注目を集めるアプローチから信頼の構築へと移行するにあたり、ウェブサイト上での顧客の行動を理解するようなソリューションや、優れた体験を提供するアプリケーションを開発するプラットフォームも提供している」とShesh氏は述べる。

 HCLSoftwareのSr. Vice President - Head of APJのJagjit Aurora氏は、このX(体験)がさまざまな属性の人々に適用可能だと補足する。「従業員体験だけでなく、顧客体験、さらには政府が市民に提供する市民体験にも同様のフレームワークを適用できる。政府機関が保有する多様なデータを運用可能にし、統合することで、より良い市民サービスを提供することができる」とAurora氏は説明する。Shesh氏によると、オーストラリアやASEAN地域ではすでに政府機関でのHCLSoftwareソリューションの活用が進んでおり、「米国の州・地方政府や欧州でも、社会保障管理や税務署など多くの事例がある」とした。

HCLSoftware, Sr. Vice President - Head of APJ, Jagjit Aurora氏HCLSoftware, Sr. Vice President - Head of APJ, Jagjit Aurora氏

 「D(DATA)」は、前述のとおりデータ管理のための技術。Shesh氏は「メタデータ管理、データリネージの理解、データカタログの構築、ナレッジグラフの構築など、AI活用に必須のデータ準備を支援する。また、データのセキュリティは我々のデータ戦略において最も重要であり、クラウドだけではなくオンプレミスへの展開も選択できる柔軟性を顧客に提供している」と述べた。

 「O(OPERATIONS)」は、ビジネスプロセス、IT、セキュリティなどの運用を効率化するソフトウェアを提供する。「生成AIの登場よりはるか前から、運用の管理と自動化にAIを使用してきた。現在は、エージェント技術を大幅に活用した『インテリジェント・オペレーション』ポートフォリオを構築している」とShesh氏は説明する。

 このポートフォリオには、ITサービス管理、コンプライアンス対応、ソフトウェアパッチの適用、インフラストラクチャのランブック実行、顧客リクエストに応答するチャットボット、ワークフロー自動化など、幅広い機能が含まれる。そして、X-D-Oフレームワークの各要素が交差する部分、すなわちXとD、DとO、OとXの交差点こそが、エージェントテクノロジーとオーケストレーションの機会が存在する場所だという。

 そのために開発したのが前述したオーケストレーションプラットフォーム「HCL UnO」だ。Shesh氏は「次の四半期に27のエージェントがリリースされる予定だ。責任ある実践的な方法でエージェント技術を顧客に提供し、顧客基盤に十分な信頼を築いていく」と述べた。
 
 さらにAurora氏は「我々のオファリングに、エージェントビルダーキットがある。顧客が特定の要件に応じて独自のエージェントを作成したい場合に利用できる。我々が提供するエージェントだけでなく、顧客自身が開発したエージェントもオーケストレーションできる柔軟性がある」と説明を加えた。

静かなる革命—継続的な投資で既存のソフトウェアをAI時代に向け進化させる

HCLSoftware, Japan AVP / カントリーマネージャー 森下恭介氏HCLSoftware, Japan AVP / カントリーマネージャー 森下恭介氏

 最後に今回のインタビューに同席したHCLSoftware, JapanのAVP / カントリーマネージャーの森下恭介氏に、HCLSoftwareの強みと日本市場における戦略について話を聞いた。

 「HCLSoftwareは、データを中心とした、利用者の体験向上、さらにそれを継続的且つ効率的に運用することを、X-D-Oというフレームワークを通じて推進し、さらにそれらが重なり合う領域にも力を発揮する非常にユニークなソフトウェア企業です。これが受託開発やBPO、技術支援等に基をなすHCLTechの一翼を担うHCLSoftwareの強みであり、日々取り組むべき課題を抱える多くの企業にとって、真に信頼できるパートナーになり得る理由であると考えています。

 また、HCLSoftwareは、製品への継続的なR&D投資を惜しまない会社です。実に売り上げの10%を研究開発に投資していますし、現在ラインアップしている製品の多くも過去に遡って開発に携わり、ノウハウを蓄積してきたものです。非常に歴史のある製品も多数ありますが、継続的に最新技術と融合させていることで、これらの製品が『現在から未来につながる』デジタル時代の課題に応えるソリューションへと進化していることを誇りに思っています。こういったことを、もっと多くの皆さんに知ってもらいたい。

 日本市場では、お客様に寄り添いながら運用のご支援を行うことが、特に重要だと認識しています。X-D-Oフレームワークに基づき『昔使っていたソフトウェア』のイメージから『現在をリードするソフトウェア』へと創造し直し、お客様の新たな価値創出を共に実現できる存在になりたいと考えています」(森下氏)


●お問い合わせ先

株式会社エイチシーエル・ジャパン

URL:https://www.hcl-software.com/jp/

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