[調査・レポート]

2024年度の国内AIエージェント基盤市場は前年度比8倍、2029年度まで年平均142.8%成長─ITR

複雑/広範な業務プロセスを自動化する手段としての期待が高まる

2025年8月26日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)

アイ・ティ・アール(ITR)は2025年8月21日、国内のAIエージェント基盤市場における規模の推移と予測を発表した。2024年度の売上金額は1億6000万円で前年度の8倍に急拡大、2025年度も同等の伸びを維持すると見込んでいる。今後も導入拡大を続けて、CAGR(2024~2029年度)142.8%の成長率で、2029年度には135億円に達すると予測している。

 アイ・ティ・アール(ITR)は、国内AIエージェント基盤市場の規模の推移と予測を発表した。調査にあたって、AIエージェント基盤を「ユーザーが設定した目標に向けて自律的に生成AIタスクを実行するAIエージェントを開発・実行・管理するための環境」と定義している。また、法人向けの商用製品・サービスを対象とし、個人向けのものは含めていない。

 2024年度の売上金額は1億6000万円で前年度の8倍に急拡大、2025年度も同等の伸びを維持すると見込んでいる。今後も導入拡大を続けて、CAGR(2024~2029年度)142.8%の成長率で、2029年度には135億円に達すると予測している(図1)。

図1:AIエージェント基盤市場における規模の推移と予測(2023~2029年度予測)(出典:アイ・ティ・アール)
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 ITRによると、ITベンダー各社がAIエージェント製品・サービスの提供を開始したのは2024年後半。2025年度に入ってからも市場に参入するベンダーが継続的に増えており、市場での認知度が急速に高まっている。

 「現状では企業によるAIエージェント基盤の導入は初期段階にあり、試験的な利用にとどまる。一方で、生成AIの急速な進化が追い風となり、より複雑かつ広範な業務プロセスを自動化する手段として期待が高まっている」(ITR)

 「AIエージェントの開発・実行環境は、企業におけるソフトウェアの利用形態を変革し、広範な業務プロセスの自動化と効率化を加速させる可能性を秘めている。現在は普及の初期段階にあるが、主要なクラウド/SaaSベンダーが次々と市場に参入している。各社の製品・サービス戦略を注視するとともに、将来を見据えて評価・検討を開始すべき時期に差しかかっている」(同社プリンシパル・アナリストの舘野真人氏)

 今回の発表は、「ITR Market View:生成AI/機械学習プラットフォーム市場2025」に基づく。同レポートは、テキストマイニング/ナレッジ活用、翻訳、検索・探索エンジン、AI/機械学習プラットフォーム、チャットボット、ボイスボット、FAQ作成管理、RAG/社内向けアシスタント、AIエージェント基盤、数理最適化の全10市場を対象に、国内83ベンダーへの調査から2023~2024年度売上実績および2029年度までの売上予測を掲載している。

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