[事例ニュース]
田辺三菱製薬、創薬系システム70台をVMwareからNutanix AHVに移行
2025年11月27日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)
田辺三菱製薬(本社:大阪市中央区)は、創薬系の全70システムの稼働基盤をオンプレミス環境のVMwareから、HPEのプライベートクラウド環境のHCI「Nutanix」に移行し、月額費用モデル「HPE GreenLake」での運用に切り替えた。2026年末にはデータセンターを撤廃する計画である。仮想化基盤の導入を支援するアルファテック・ソリューションズ(ATS)が2025年11月27日に発表した。
田辺三菱製薬は、システムのクラウド移行を全社レベルで進めている。これにともない、2026年末までにデータセンターを撤廃する計画である。
研究開発を支える創薬系システムも、フルクラウド化を目指している。しかし、すぐに移行することは難しく、アプリケーションの改修やモダン化などに数年を要する状況だった。
これに対する施策として同社は、パブリッククラウドのように月額で使える仮想化システム基盤を導入し、即時のクラウド移行が困難な約70のアプリケーションを同基盤に移行した(図1)。
図1:田辺三菱製薬によるHCI増設計画のイメージ(出典:アルファテック・ソリューションズ)拡大画像表示
具体的には、仮想化基盤ソフトウェア「Nutanix Enterprise Cloud OS」を搭載したHCI(ハイパーコンバージドインフラストラクチャ)「HPE ProLiant DX」を、月額課金モデル「HPE GreenLake」を介して導入した。
もともとのシステムは、オンプレミスのVMware環境で動かしていた。これを、移行ツール「Nutanix Move」を使ってNutanix AHV(無償で使えるKVMベースのサーバー仮想化基盤)環境に移行した。
同社は、HCIの拡張性の高さを評価している。創薬系アプリケーションの改修は数年間に及び、改修を完了したアプリケーションから順次移行する。このため、必要なタイミングで必要なリソースを拡張できるHCIが有効だった。

































