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日立、SANストレージの最上位機種「VSP One Block High End」を発表、5000万IOPSでAI用途も想定
2025年11月19日(水)IT Leaders編集部、日川 佳三
日立ヴァンタラは2025年11月19日、SANストレージ「Hitachi Virtual Storage Platform One(VSP One)」シリーズの最上位モデル「VSP One Block High End」を発表した。2026年前半から提供を開始する。最大容量は1.73PBで、5000万IOPSの処理性能をうたう。ミッションクリティカルシステムに加え、AIワークロードの需要にも応えるとしている。
日立製作所のストレージ/サーバー事業を承継した日立ヴァンタラの「Hitachi Virtual Storage Platform One(VSP One)」は、NVMe接続のSSDを搭載したSANストレージシリーズである。FC/iSCSI接続のSANストレージモデルに加えて、NFS/SMBのファイルストレージモデル「VSP One File」をラインアップしている(図1、関連記事:日立、ミッドレンジSANストレージ新機種「VSP One 2U Block Appliance」、データ削減効率などを向上)。
図1:ミッドレンジSANストレージ「Hitachi Virtual Storage Platform One」のラインアップ(出典:日立ヴァンタラ)拡大画像表示
VSPシリーズは、ストレージ仮想化技術を駆使した柔軟な構成・運用を特徴としている。VSPの配下にある複数の異機種ストレージを集約する構成、またはVSP2台の広域クラスター構成にして、1台の論理ストレージとして運用できる。また、データのアクセス頻度に応じてストレージプール内でデータを自動移動する動的ILM(ストレージ階層化)やデータ重複排除・圧縮などの機能を備えている。
写真1:「VSP One」シリーズに追加した上位モデル「VSP One Block High End」の筐体(出典:日立ヴァンタラ)拡大画像表示
日立ヴァンタラは、VSPシリーズのラインアップに、最上位モデル「VSP One Block High End」(写真1)を追加し、2026年前半から提供を開始する。
最大構成時のストレージ総容量は1.73PB(60TB SSD 288基)となっている。コントローラを12台まで搭載でき、5000万IOPS(IO/秒)の処理性能をうたう。ミッションクリティカルシステムに加え、企業の間で急速に拡大しているAIワークロードの需要にも応えるとしている。
運用において、ブロック/ファイル/オブジェクトの各ストレージによるオープンシステムとメインフレームシステムを併存させることができる。ネットワークはオープンシステム向けに100GbE(NVMe/TCP)と64G FC、メインフレーム向けに32G FICONを利用できる。
また、データ圧縮アクセラレータを搭載し、データ圧縮と重複排除によるデータ削減率4:1を保証している。目標の削減率に達しなかった場合は、日立ヴァンタラが不足容量分のドライブを提供するという。
ランサムウェアをはじめ、企業・組織を襲うサイバー脅威に対抗するためのBCP/DR機構として、高度なスナップショット機能を備えている。セキュリティ強化の観点から、外部からアクセス不可のディスク領域で改変や削除のリスクを排除して長期間データを保存する。2時間ごとにスナップショットを取得した場合、約85日分のデータ履歴を格納でき、ランサムウェア攻撃発生時に感染前の状態に復旧できる体制を整えられる。
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