[市場動向]

ガートナー、熾烈なAIベンダー競争を有利に進める“本命企業”を発表

グーグル、マイクロソフト、OpenAIなどが各分野のリーダーに

2026年1月1日(木)IT Leaders編集部

激化するAIベンダー間の競争において各分野をリードする“本命企業”は?──米ガートナーは2025年12月17日(米国現地時間)、30近くのAI分野を5つのカテゴリーに分類し、グーグル、パロアルトネットワークス、マイクロソフト、OpenAIなどを主要セグメントのリーダーとして選出。各社の市場戦略や技術・製品の特徴を紹介している。

 米ガートナー(Gartner)は、AIベンダー間の競争における“本命企業(Companies to Beat)”を発表した。30近くのAI関連技術・製品分野を5つのカテゴリーに分類して選出している。

 同社はAI市場におけるトップベンダーを差別化する要素として、「技術的能力」「顧客への導入実績」「潜在的な顧客基盤」「ビジネスモデル」「主要なパートナーシップ」「広範な周辺エコシステム」という6つの主要基準を挙げている。本命企業はこれらの基準に基づく独自の方法論によって決定される。

 同社グループバイスプレジデントのアンソニー・ブラッドリー(Anthony Bradley)氏は、「評価はガートナーの市場データを分析する専門アナリストチームによって行われる。エンドユーザーやベンダーとの対話、公開データなどを総合的に判断している」と説明。また、AI市場の動きは速く、競争環境の進化に伴い、本命企業も変化する可能性があることも言い添えている。

 今回発表された本命企業は、以下の5つのカテゴリーに分類されている。

データ&インフラ:AIデータプラットフォーム、カスタムAIシリコンなど
モデル&エージェンティック:エージェンティックAIプラットフォーム、大規模言語モデル(LLM)など
サイバーセキュリティ:AIセキュリティプラットフォーム、ディープフェイク検出など
ソリューション:CRM AI、Enterprisewide AI(全社的AI、注1)など
インダストリー:製造業AI、ヘルスケアAIなど

注1:Enterprisewide AI(全社的AI)は、特定の部門や特定のタスクに特化したAIではなく、企業活動の基盤そのものに組み込まれるAIを指している。ワークサーフェス(業務領域)の掌握、バックエンドとフロントエンドの統合、包括的なデータ取り込み、ガバナンスと拡張性などの要素を備えた全社向けのソリューションが該当する。

 主要なAI分野におけるリーダーとして、以下を本命企業として挙げている。

グーグル(Google):「エンタープライズ(企業、特に大企業)エージェンティックAIプラットフォーム」分野における本命企業だとした。高度な推論モデルやインフラを含む統合された技術スタック、「Google DeepMind」による革新的な投資などが評価された。ガートナーは「ビジョンとイノベーションにおいて競合他社を凌駕していると分析している(図1)。

パロアルトネットワークス(Palo Alto Networks):「AIセキュリティプラットフォーム」分野のリーダーとした。広範なセキュリティポートフォリオや買収戦略、強固な販売チャネルが評価のポイントとなった。AIセキュリティの研究において、社内の専門知識とオープンソースなどを組み合わせた独自の地位を確立している点が強みとされる。

マイクロソフト(Microsoft):「Enterprisewide AI(全社的AI)」分野の本命企業となった。広範なパートナーエコシステムや、エンタープライズアプリケーションにおける圧倒的なプレゼンスにより、顧客のバックエンドからフロントエンドまでAIを統合できる能力が高く評価された。「この分野は他のAI市場に比べ、スタートアップよりも巨大IT企業に有利な市場である」とガートナーは見ている。

OpenAI:「LLMプロバイダー」分野のフロントランナーとして選出された。LLM市場を切り開いた先行者利益に加え、推論およびエージェンティックAI開発への注力が評価された。「ChatGPTによる圧倒的な普及率や、Microsoft Azureを通じたAPI提供などによるエンタープライズ市場への浸透が同社の地位を強固なものにしている」(同社)。

 ガートナーは、これらの分析結果を通じて、企業のITリーダーやベンダーがAI戦略を策定・実行する際の指針を提供するとしている。

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