[市場動向]
日本IBM、地域金融機関向けAI基盤を構築へ、八十二長野銀行が最初のユーザーに
2026年2月13日(金)IT Leaders編集部、日川 佳三
日本IBMは2026年2月12日、地域金融機関向けAI基盤の構築に着手したと発表した。金融機関特有のセキュリティ基準やMicrosoft 365資産の有効活用などを考慮しながら、AI活用に不可欠なデータ管理機能やセキュリティ、ガバナンス機能を提供する。これにより、導入負荷を低く抑えながら全社的なAI活用基盤を整備できるとしている。最初のユーザーとして八十二長野銀行が採用を決定しており、2026年内からの順次稼働を目指す。
日本IBMが、地域金融機関向けAI基盤の構築プロジェクトを始動した。金融機関特有のセキュリティ基準やMicrosoft 365資産の有効活用などを考慮しながら、AI活用に不可欠なデータ管理機能やセキュリティ、ガバナンス機能を提供する。これにより、導入負荷を低く抑えながら全社的なAI活用基盤を整備できるとしている。
図1:地域金融機関向けのAI基盤がリファレンスとして参照する「統合AI基盤」アーキテクチャ(出典:日本IBM)拡大画像表示
IBMが新たに構築するAI基盤は、同社が提唱する「統合AI基盤」アーキテクチャ(図1)を参照し、地域金融機関の業務環境に最適化したもの。取り組みの背景を「多くの地域金融機関においてAI活用が経営課題となる中、単独での基盤構築にはコストや技術面でハードルが高いという課題があった」と説明。新基盤では、地域金融機関が共同利用システムなどで培ってきた知見を反映し、安全かつ持続的なAI活用環境の提供を目指すとしている。
新基盤の特徴として3点を挙げている。1つ目は、金融機関品質のAIガードレールの実装である。AIガバナンスプラットフォーム「IBM watsonx.governance」やAIゲートウェイを活用し、AIの挙動を可視化・制御する。これにより、情報漏洩や不適切な回答を防ぎ、金融機関に不可欠なガバナンス体制を確立する。
2つ目は、Microsoft 365資産の最大活用とデータ連携である。Microsoft Fabricを活用することで、Microsoft 365上の資料やメールといった非構造化データと、銀行勘定系などの構造化データを安全に統合する。「既存の業務ツールとAIを摩擦なく連携させることで、行員の利便性を損なわずにデータ活用を促進する」(IBM)としている。
3つ目は、技術の陳腐化やベンダーロックインを回避する「ハイブリッド・バイ・デザイン」アプローチの採用である。特定の技術に依存しない柔軟な設計とし、各機能を差し替え可能な部品として構成する。これにより、AI技術の急速な進化に合わせて、システム全体を作り直すことなく最新技術を取り入れられるようにする。
新基盤の設計にあたっては、地方銀行の共同システム「じゅうだん会」のリーダー行である八十二長野銀行(本店:長野県長野市)の知見をアーキテクチャに反映する。同行は最初のユーザーとして新基盤の採用を決定しており、2026年内からの順次稼働を目指す。
日本IBMは今後、新基盤を各金融機関が開発した拡張機能などを相互に利用できる「共創プラットフォーム」へと進化させ、地域金融機関全体のエコシステム構築を支援していくとしている
地域金融機関の多くが利用しているMicrosoft 365上の資料やメールなどの非構造化データも活用する。これらと銀行の構造化データを、Microsoft Fabricを活用したデータ基盤に統合する。これにより、既存のツールやシステムとの摩擦のない統合を目指すとしている。
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