[事例ニュース]
JAXA、衛星データ管理システムのストレージをスケールアウトNASで刷新
2026年2月12日(木)日川 佳三、河原 潤(IT Leaders編集部)
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙科学研究所(ISAS)は、科学衛星・探査機から収集したデータのアーカイブや外部公開のためのシステム「科学衛星データ処理システム」のストレージを刷新し、2025年4月に運用開始した。デル・テクノロジーズの「Dell PowerScale」を採用して従来比でストレージ容量が2倍以上になり、圧縮・重複排除で保存容量を約30%削減している。デルが2026年2月9日に発表した。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)の中核部門である宇宙科学研究所(ISAS)は、大気外での天文観測や太陽系科学、宇宙環境利用科学、これらの研究を支える宇宙工学など、幅広い領域にわたる宇宙科学研究を推進している。
ISASでは、天文観測や太陽系科学などの研究において、「科学衛星データ処理システム」を運用し、科学衛星・探査機から収集したデータのアーカイブや外部公開を行っている。
同システムでは近年、観測機器の高解像度化・高度化に伴い、データ量は1日あたり数GBに達するなど大規模化が進んでいた。従来の環境では、増え続けるデータの長期保存が困難になることや、アクセス集中時のレスポンス低下が懸念されており、拡張性と高速処理能力を兼ね備えた次世代ストレージ環境が求められていたという。
そこで、科学衛星データ処理システムのストレージを刷新することにした。その計画にあたって、JAXA/ISASはデル・テクノロジーズと共同でストレージの利用状況を調査。その結果、突発的な負荷の多くがリード(読み取り)処理であり、特定のデータにアクセスが集中する傾向があることが判明した。
写真1:スケールアウトNASストレージ「Dell PowerScale」の筐体(出典:デル・テクノロジーズ)拡大画像表示
この問題に対処するため、デルのスケールアウトNASストレージ「Dell PowerScale」を選定した(写真1、関連記事:Dell EMCのスケールアウトNAS「Isilon」が「PowerScale」に名称変更、11TBの小規模から導入可能に)。
このPowerScaleに、アーカイブ用途に適した「PowerScale A3000シリーズ」とアクセラレータノード「PowerScale P100」を組み合わせた階層構成としている。P100が一度読み込まれたデータをキャッシュに蓄積することで、アクセス集中時でも迅速なレスポンスを確保すると同時に、ストレージノードへの負荷を軽減する仕組みである。これにより、コスト効率を高めながら高負荷時の安定性向上を図っている。
運用面では、クォータ管理機能「SmartQuotas」を用いて各研究プロジェクトへ容量を割り当てているほか、専用管理ツール「InsightIQ」で稼働状況を監視している。複数ノードの同時障害にも耐えうるデータ保護機能により、可用性を確保する。
導入の効果として、ストレージ容量は従来の2倍以上に増強された。また、圧縮・重複排除機能「SmartDedupe」を活用することで、実データに対して約30%の保存容量削減を図れたという。
宇宙科学研究所 科学衛星運用・データ利用ユニット 主任研究開発員の中平聡志氏は、「トータルコストを抑えつつ、当研究所のニーズに合致したシステムを実現できた。今後は生成AIの活用なども進め、予想もしなかったような研究成果が生まれるよう活動していく」とコメントしている。
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