[事例ニュース]
東レ、Exadataで稼働していた224の業務システムを15カ月でAWS RDSに移行
2026年2月5日(木)日川 佳三、河原 潤(IT Leaders編集部)
東レグループの情報システムを担う東レシステムセンター(本社:東京都中央区)は、データベース基盤の刷新において、224の業務アプリケーションのデータベース基盤を「Oracle Exadata」から「Amazon RDS for Oracle(AWS RDS)」へ移行し、安定運用を続けている。インサイトテクノロジーの支援の下、SQLテスト自動化ツール「Insight SQL Testing」を活用し、15カ月という短期間でプロジェクトを完遂した。インサイトテクノロジーが2026年2月5日に発表した。
東レグループの情報システムを担う東レシステムセンターは、データセンター機能の収束を目的にクラウド移行プロジェクトを推進していた。その中で最大の課題となっていたのが、データベース専用アプライアンス「Oracle Exadata」の保守費用の高騰と機器の老朽化への対応だった。
同センターによると当時、保守期限(2024年12月頃)が迫る中、224もの重要な業務アプリケーションのデータベース基盤を15カ月間で「Amazon RDS for Oracle(AWS RDS)」に移行する必要があった。このクラウド移行にあたっては、性能劣化への懸念やアプリケーション間の複雑なデータ参照関係を維持しながらの移行設計が求められていたという。
図1:AWS DMSを活用した双方向連携のイメージ。移行済みRDSから未移行Exadataへのデータ連携により、段階的な移行を実現した(出典:インサイトテクノロジー)拡大画像表示
難題を解決するため、データベースの設計・構築に強みを持つインサイトテクノロジーの支援を得ながら、クラウド移行の青写真を描いた。まずは、SQLテスト自動化ソフトウェア「Insight SQL Testing」を用いて、Exadataで稼働していたSQLをAWS RDS上で再現し、性能差を事前に数値化するアセスメントを実施した。
その中のネットワーク設計においては、安定的なレプリケーションには240Mbits/sの帯域が必要であることが判明、サービス用とは別に移行用の専用線を確保することにした。また、RDSインスタンスの監視に加えて、AWS標準の監視機能では取得できないOracle Databaseの内部情報(表領域の使用量など)を取得するスクリプトを開発し、「Zabbix」で一元的に監視できる仕組みを構築している。
また、一度に全システムを停止できないという制約に対しては、「AWS Database Migration Service(DMS)」を用いた双方向連携を実装した。移行済みのAWS RDSから未移行のExadataへデータを逆向きに連携させる仕組みを構築することで、業務単位での順次移行とダウンタイムの最小化を両立させている(図1)。
プロジェクトは1年強の期間で40回以上のリハーサルと移行作業を繰り返し、一度の切り戻しもなく、15カ月の期限内で全アプリケーションの移行を完了した。高額なEnterprise EditionからStandard Editionへの移行によるコスト削減に加え、Exadata時代に発生していたSQL暴走への手動対応が不要になるなど、運用負荷の軽減も図っている。
東レシステムセンター 常務理事 IT基盤サービス事業部門長の増田蘭子氏は、「もしInsight SQL Testingの事前検証結果が得られていなければ、不安からExadata継続との判断もあったかもしれない。移行後の環境は非常に安定しており、運用負荷は大幅に軽減されている」とコメントしている。なお、大規模なクラウド移行の成功は社内でも高く評価され、同プロジェクトは同社の社長賞を受賞している。
東レ / Exadata / Amazon RDS / クラウド移行 / プロジェクト管理 / AWS / 製造 / 開発テスト / インサイトテクノロジー / RDBMS
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