種苗メーカーのサカタのタネ(本社:神奈川県横浜市)は全社的なデータ統合・管理基盤を構築した。Denodo Technologiesのデータ仮想化プラットフォーム「Denodo Platform」を導入し、データの仮想統合によって、ローコード開発ツールやBIツールから多様なデータソースへのアクセスを容易にし、少人数でのアプリケーション開発・運用体制を確立している。長期間稼働している既存資産と新しい技術の間で生じていた接続性の課題を解消し、データ連携を円滑にすることを目指す。Denodo Technologiesが2026年1月29日に発表した。
神奈川県横浜市に本社を置くサカタのタネは、1913(大正2)年創業の大手種苗メーカーである。花や野菜の品種開発・生産・販売を行い、特にブロッコリーやトルコギキョウ、アンデスメロンなどで世界的に高いシェアを持つ。海外売上高比率が約7割とグローバルに事業を展開している。
サカタのタネには、既存資産を大切にして長く使い続ける文化がある。ITシステムも同様に、導入済みのシステムを長期間にわたって活用している。しかし、製品の老朽化やメーカーのサポート終了によって、新旧システム間の接続に課題が生じていた。
例えば、システム間のデータ連携が難しいことから、正確な情報をタイムリーにユーザーに提供できていなかった。ローコード開発ツール「OutSystems」から既存データソースに接続することも難しかった。システム間をつなぐアダプターのサポート切れにより、BIツールとの接続にも問題があったという。
こうしたなか、システムに部分的な変更があってもサービスを継続的に運用でき、複数のデータソースや異なる形式のデータを統一された方法で利用可能なデータ管理層の構築を検討。Denodo Technologiesのデータ仮想化プラットフォーム「Denodo Platform」(図1)を導入した(関連記事:Denodoが訴える、AI本格活用期にデータ仮想化がもたらす価値)。
図1:「Denodo Platform」のアーキテクチャ(出典:Denodo Technologies)拡大画像表示
Denodo Platformは、データベースやファイルなど各種のデータソースを、複製することなく生データのまま仮想化する仮想統合の仕組みを持つ。この仕組みにより、データ分析などに必要なデータプレパレーション(準備)の時間を短縮して、データを利用しやすくする。仮想統合したデータには、SQLやWeb APIなど各インタフェースでアクセスでき、集計済みデータをRDBMS上にキャッシュしてデータアクセスを高速化する機能も備えている。
サカタのタネは、Denodo Platformの導入後、各システムに蓄積したデータを相互に利用できる環境を整備した。これらのデータを利用したアプリケーションをローコードツールで開発できる環境も構築した。現在、数十のアプリケーションを、情報システム部内の担当者2人で開発・運用している。
データ管理層の構築により、ユーザーが欲しい形式でデータを取得できるようになった。これまで活用できていなかったデータも活用できるようになった。「WebサービスのAPI経由で得たデータを、エンドユーザーが利用しやすい表形式に変換している。Denodoがなかったらできなかった」(同社)。
現在は、ユーザー自身によるデータ活用を進めるため、Denodoのデータカタログをユーザーに開放することを検討している。AIの活用も視野に入れる。
サカタのタネ / データ仮想化 / 製造 / データ活用基盤 / Denodo Technologies / 内製化 / Denodo Platform / 神奈川県 / 横浜市
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