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神戸製鋼所、全社データ分析基盤に「Snowflake」を採用、データの民主化を推進

事業部門に散在していたデータを一元管理、自律的なデータ/AI活用を促す

2026年3月10日(火)IT Leaders編集部、日川 佳三

神戸製鋼所(本社:兵庫県神戸市)は、社内の統合データ分析基盤「DataLab」において「Snowflake AI データクラウド」を導入した。コベルコシステムの支援の下、多様なデータを一元管理できる共通基盤を整備し、全社的なデータ分析の拡大とAI活用に向けた環境整備を図っている。2026年3月10日にコベルコシステムが発表した。

 素材系事業や機械系事業、電力事業などを幅広く展開する神戸製鋼所。同社は、中期経営計画で掲げるDX戦略に基づき、組織的なデータ活用の推進に取り組んでいる。

 これまで同社では、事業部門単位で個別にデータ活用が進められており、データ資産や分析ノウハウが社内で分散しているという課題を抱えていた。同社 IT企画部 インフラ・セキュリティグループ長の南和男氏は、当時の状況を次のように振り返る。「データの蓄積や分析を全社で活用できる共通基盤がなく、各部門でデータ基盤をバラバラに構築していた。事業部門が個別に分析システムを開発していたため、データの全社活用ができない状態だった」。

 こうした課題を受け、神戸製鋼は2019年に、クラウドを活用したデータ分析基盤「DataLab」を構築した。ExcelやCSVなどの構造化データ、XMLなどの半構造化データ、画像・音声ファイルといった非構造化データまで、各形式のデータを一元的に保存・管理し、分析テーマに応じて適切な形式に変換できる環境を整えた。

 初期段階では、ニーズが大きく横展開が期待できる、材料開発と設備診断の2分野をユースケースに選定した。研究開発データや操業設備の時系列データなど、大量の非構造化データを扱える環境を全社へ提供することを目標に掲げた。

 この基盤の下、材料開発部でデータサイエンティストがマテリアルズインフォマティクス(MI)への取り組みが始まった。データ解析やシミュレーション、AIを組み合わせることで、顧客が求める材料を実現するレシピを効率的に探索している。設備診断の分野では、生産設備から収集したデータを蓄積・分析し、異常の早期予知・検知に役立てている。

2023年にSnowflakeを導入、拡張性と利便性が向上

 2023年、神戸製鋼の取り組みが進化する。2分野以外への活用拡大を見据え、より多くのデータ形式に対応できるように、「Snowflake AIデータクラウド」(画面1)を導入。データ基盤の中核に組み込んだ。Snowflakeはコンピュートとストレージを分離したマルチクラスターアーキテクチャを採用し、高い拡張性と大量データの高速処理を特徴とするクラウドDWHである。

画面1:「Snowflake AIデータクラウド」の画面例(出典:Snowflake)
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 SnowflakeをDataLabに組み込んだことで、多様なデータを一元的に保存・管理し、テーマに応じた分析が実施できる環境が整った。南氏はSnowflakeの導入効果を「ユーザーがデータ分析に踏み出しやすくなった。先行して利用している材料開発と設備保全の分野では開発期間が短くなり業務効率も上がっている。新たに試してみたいという部門も増えている」と評価する。

 神戸製鋼は今後、Snowflakeの活用を他の事業部にも順次展開する計画である。将来的にはグループ企業への展開も視野に入れている。データの民主化の推進に向けては、工場設備からデータを取得する簡易センサーとゲートウェイをセットにしたスモールスタートパックを用意した。

 南氏は今後の展望を「現在は研究データや工場系データの蓄積が中心だが、今後は基幹システムやSaaS、クラウド上の業務システムのデータをSnowflake上で統合的に管理していく。これらのデータを横断したAI活用やデータ分析に取り組んでいきたい」と語っている。

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