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近鉄百貨店、基幹システムと経費精算SaaSの連携を内製化、開発費1000万円規模削減

2026年6月5日(金)日川 佳三(IT Leaders編集部)

近鉄百貨店(本社:大阪府大阪市)は、基幹システムと経費精算SaaS「TOKIUMインボイス」のデータ連携を目的に、データ連携サービス「HULFT Square」を導入した。データ連携を内製する体制を整えることができた。連携システムを自前で構築した場合と比べて開発期間は数カ月から数週間に、コストも1000万円規模で削減できたとしている。セゾンテクノロジーが2026年6月3日に発表した。

 近鉄百貨店は、関西エリアを中心に百貨店事業を展開している。近年は、フランチャイズ事業の拡大や農業事業への参入など事業ポートフォリオを再構築しており、これにあわせて各システムのクラウド移行を中心に、IT基盤の整備を進めている。こうした中、経費精算業務の効率化とペーパーレス化を目的に、スクラッチで開発した経費精算システムをSaaSの「TOKIUMインボイス」に置き換えた。

図1:近鉄百貨店が導入・構築した、基幹システムと経費精算SaaSをデータ連携させる仕組み(出典:セゾンテクノロジー)
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 既存の経費精算システムは、ファイル連携ミドルウェア「HULFT」によるファイル転送とバッチ処理で基幹システムとデータ連携していた。一方、新たに導入したTOKIUMインボイスはSaaSであり、APIでデータ連携する。異なる接続方式のシステム同士を連携させるため、データ連携サービス「HULFT Square」(セゾンテクノロジーが提供)を導入した(図1)。

 HULFT Squareの導入プロジェクトは、TOKIUMインボイスの導入スケジュールに合わせて進めた。全体としては約半年間を要したが、プロジェクトに携わったのは近鉄百貨店のメンバー1人とパートナ会社のメンバー1人の2人だけである。「スクリプトの作成から実装までを、基本的に自力で完了させた」(近鉄百貨店 総合企画本部DX推進部課長の入谷健介氏)という。

 HULFT Squareの導入により、データ連携システムを新規に開発する必要がなくなったほか、データ連携の仕組みを内製で整備できる環境を確立した。「もしデータ連携のためのAPIサーバーを外注で構築していたら、数カ月単位の開発期間と1000万円規模の開発費用、加えてランニングコストがかかっていた」と入谷氏は振り返る。

 新たに構築した仕組みでは、経費精算業務がデジタルで完結する仕組みになった。従来は、経費精算システムに請求書データを入力した後、紙伝票として出力し、経理部門が紙伝票と請求書を突き合わされて処理していた。

 新システムでは、TOKIUMインボイスに入力した請求書データから仕訳データを抽出し、HULFT Squareでデータ変換した後、HULFTを経由して基幹システムに自動連携する仕組みを構築した。逆方向の連携では、基幹システムのマスターデータをファイル出力して経費精算システムに登録・更新する処理を自動化した。

 今後、新たなデータ連携のユースケースとして検討を始めているのが、BigQueryに蓄積したデータの活用である。購買データなどを近鉄グループ全体で分析できるように、データを抽出・加工・連携する仕組みを構築する。「BigQueryからデータを抽出してファイルを作成する仕組みを構築するだけで、ベンダーの見積りでは数百万円程度かかる。内製化できれば成果は大きい」(入谷氏)。

 このほかのユースケースとして、組織変更・従業員変更情報を各種システムに合うように手作業で抽出・加工する業務への適用も考えている。変更情報を人事システムからGoogle Workspaceへと自動で反映させる予定である。

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