[調査・レポート]

国内企業のDX、8割が着手も価値創出は停滞、AI活用は業務効率化止まり─IPA「DX動向2026」

2026年7月21日(火)IT Leaders編集部、日川 佳三

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は2026年7月16日、国内企業に対して毎年実施しているDX動向調査の結果について概要を公表した。DXに取り組む企業は8割近くに達し、AI導入も大企業を中心に広がっている。一方で、AI活用は業務効率化にとどまり、企業価値創出や新規事業への展開は限定的な状況が続いている。

 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は、国内企業におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みの動向を毎年調査している。

 2026年4月17日~6月12日の期間で行った最新の調査では、国内企業の経営層、情報システム部門、DX推進部門など1799社から回答を得た。IPAは、詳細な調査結果を収めた報告書「DX動向2026」およびデータ集を同年7月下旬に公開する。今回、報告書の公開に先立って調査結果の概要を公表した。

 調査によると、8割近くの企業が何らかの形でDXに取り組んでおり、過去2回の調査と比べて同水準で推移している。設定した目的に対する成果が出ている企業は6割に上るが、この割合も経年で大きな変化はない(図1)。

図1:DXへの取り組み成果(経年比較)(出典:情報処理推進機構)
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 項目別に見ると、「アナログ・物理データのデジタル化」や「業務の効率化による生産性の向上」は他の項目と比べて高い。一方、「顧客起点の価値創出によるビジネスモデルの根本的な変革」や「企業文化や組織マネジメントの根本的な変革」は、前回調査よりもわずかに伸びているものの、デジタル化や業務効率化に比べると相対的に低い(図2)。

図2:DXの具体的な取り組み項目別の成果状況(経年変化)(出典:情報処理推進機構)
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 AIの導入状況を従業員規模別に見ると、企業規模が大きいほど導入が進んでいる。従業員1001人以上の企業では約8割が導入済みである一方、101人以下の企業では16.6%にとどまり、規模による差が大きい(図3)。

図3:AIの導入状況(従業員規模別)(出典:情報処理推進機構)
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 AI導入の効果については、「期待以上の効果“が”あった」「期待どおりの効果“で”あった」の合計は31.8%で、「一定の効果はあった」が50.6%と最も高い(図4)。

図4:AI導入による効果の状況(出典:情報処理推進機構)
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 図5は、AI導入効果の具体的な内容を聞いた結果である。「業務が効率化したり迅速化した」が91.6%で最多だった。これに対し、「顧客満足度が向上した」は4.5%、「売上や利益が向上した」は3.9%にとどまり、企業価値創出に直結する効果は小さい。

図5:AI導入による具体的効果の内容(出典:情報処理推進機構)
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●Next:AIの利用用途、DX推進とAI活用の関係

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