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トヨタ自動車、年間1万件超の経理処理をローコードでデジタル化、処理ステップを46%削減

米国SOX法準拠など、強固な内部統制基盤を整備

2026年9月4日(金)IT Leaders編集部、日川 佳三

トヨタ自動車(本社:愛知県豊田市)のカスタマーファースト推進本部は、経理処理のデジタル化基盤として、NTTデータ イントラマートのクラウド型ローコード開発プラットフォーム「Accel-Mart Plus」を採用して新システムを構築した。Excelを用いたアナログな経理プロセスを一新し、処理ステップ数を約46%削減するとともに、米国SOX法の監査要件にも対応した内部統制を整備する。NTTデータ イントラマートが2026年9月4日に発表した。

 トヨタ自動車のカスタマーファースト推進本部(CF本部)は、顧客に対し、品質保証対応、認証試験業務、アフターセールスの体制整備など、安全と品質を担保する業務を網羅的に担っている。

 CF本部では、日常的な物品やサービスの購入に伴い、年間1万件以上の経理処理が発生している。従来は見積もり、企画、決裁、発注、検収、支払いといった一連のプロセスにおいて、個別にExcelファイルを作成・回付して処理していた。プロセスが進むごとにファイルを作成してデータを手動で転記するなど、紙の業務と変わらないアナログな運用となっていた。

 さらには、起案者や決裁権者ごとに経理処理に必要な手順や規則に対する知識にばらつきがあり、後工程で手戻りが発生するケースが少なくなかった。CF本部は、ルールを明文化した共通マニュアルを整備すると共に、電帳法などの法規制に則って処理を進めることの重要性や意義を浸透させる教育や啓発に取り組んだものの、問題の根本解決には至らなかったという。

図1:トヨタ自動車のカスタマーファースト推進本部が構築した経理処理システムの概要(出典:NTTデータ イントラマート)
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 こうした課題を解決するため、2024年10月に、CF本部の業務プロセス全体をワンストップで管理・可視化する改善プロジェクトを開始。システム基盤には、NTTデータ イントラマートのクラウド型ローコード開発プラットフォーム「Accel-Mart Plus」を採用した。見積もりから支払いまでのワークフロー対応とカスタマイズ性、APIなどによる既存システムとのシームレスな連携、CPUコアベースのライセンス体系によるコスト最適化を評価したという(図1)。

 2025年7月に開発をスタートし、2026年6月に新システムを稼働させた。プロジェクトを通じて、中長期にわたってシステムを持続的に改善・保守できる体制を整えている。

 CF本部によると、システムの完全内製化も選択肢の1つだったが、保守の属人化や人事異動によるシステム仕様のブラックボックス化を避けるため、開発パートナーに協力を要請。システムのカスタマイズ開発においては、ユーザー体験を重視する方針の下、開発パートナーとNTTデータ イントラマートの技術的支援を受けながら経理処理ミスを未然に防止する仕組みを構築し、手戻りの少ない開発を実現している。

 CF本部の約2000人が新たな経理処理システムを利用している。新システムにより、業務フローベースでの処理ステップ数を従来の最大57ステップから31ステップへと約46%削減した。

 システムが自動で入力チェックを実行する仕組みを実装し、目視で行っていた入力内容や処理手順のチェックを廃止できたこと、データの自動引き継ぎによって手動での転記が不要になったことなどが省力化につながった。起案者や管理職双方の心理的負荷も軽減しているという。

 また、電子帳簿保存法(電帳法)に準拠した文書管理システムに証憑データを自動で連携・保管する仕組みを構築している。それまで個別に行っていた見積書や発注書のアップロード作業、社内共有用のSharePointへの二重保管、決裁権者による保管確認といった作業が不要になった。

 合わせて、監査要件に対応した強固な内部統制の基盤も整備した。トヨタ自動車は米国市場に上場しているため、新システムは、後続の会計システムと連携するにあたって米SOX法の監査対象となる。そこで、コードを修正・デプロイする時の承認フローの定義、日々の死活監視プロセスの定義、追跡調査が可能な仕様でのログ出力といった施策によって、米国SOX法の監査要件をクリアしている。

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