[市場動向]

スパコン性能ランキングTOP500の2026年6月版、中国「LineShine」が初登場で1位に

アジア・北米・欧州でエクサフロップス超え、富岳は9位に後退

2026年6月25日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)

スーパーコンピュータ性能ランキングのTOP500は2026年6月23日、ランキング最新版(2026年6月版)を公開した。中国の深圳国家スーパーコンピューティングセンター(NSCS)に設置した「LineShine」が初登場で1位を獲得し、2位に後退した前回1位の「El Capitan」(米ローレンス・リバモア国立研究所)に20%以上の差をつけた。LineShineのLINPACKベンチマーク値は2198.40PFLOPS(ペタフロップス)で、毎秒219京8400兆回に相当する。

 スーパーコンピュータ性能ランキングのTOP500(www.top500.org)は、ランキング最新版として2026年6月版(同年6月23日発表)を公開した。今回の発表で、LINPACKベンチマーク値が1エクサフロップス(EFLOPS、毎秒100京回)を超えるシステムがアジア・北米・欧州に同時に存在する状況になった。

 1位を獲得した「LineShine」(写真1)は、深圳クラウドコンピューティングセンター(Shenzhen Cloud Computing Center)が構築し、深圳国家スーパーコンピューティングセンター(NSCS)に設置したシステムである

写真1:TOP500(2026年6月版)で1位になった中国「LineShine」の外観(出典:深圳国家スーパーコンピューティングセンター/深圳クラウドコンピューティングセンター)

 LineShineは、独自開発プロセッサ「LX2」(304コア、1.55GHz動作)を搭載し、総コア数は1378万9440で、ノード間は独自インターコネクトで接続する。OSは中国製Linux OSを採用した。消費電力は4万2220kWで、ベンチマーク値に対する理論ピーク性能値の比率(実効効率)は80.4%である。中国のシステムがTOP500で1位に立つのは、2017年の「Sunway TaihuLight」以来である。

 前回(2025年11月版)の1位から4位までのシステムは、いずれもLineShineの登場により1つずつ順位を下げ、2位から5位となった(画面1)。ベンチマーク値はいずれも前回から変わらない。今回の2位(前回1位)は米ローレンス・リバモア国立研究所の「El Capitan」(1809.00PFLOPS)で、3位以降は米オークリッジ国立研究所の「Frontier」(1353.00PFLOPS)、米アルゴンヌ国立研究所の「Aurora」(1012.00PFLOPS)、独ユーリッヒ・スーパーコンピューティングセンターの「JUPITER Booster」(1000.00PFLOPS)である。

画面1:TOP500の2026年6月版ランキング(出典:TOP500)
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 6位には、イタリアのエネルギー企業Eniの「HPC7」(571.50PFLOPS)が初登場。これにより、7位は米マイクロソフトの「Eagle」(561.20PFLOPS)、8位はEniの「HPC6」(477.90PFLOPS)、9位は理化学研究所と富士通の「富岳」(442.01PFLOPS)、10位はスイス国立スーパーコンピューティングセンター(CSCS)の「Alps」(434.90PFLOPS)となった。富岳は前回の7位から9位に後退した。

LineShineはHPCGでも1位、前回1位のEl Capitanは2位に

 実際のアプリケーションで多く用いられる共役勾配法の処理速度ランキングであるHPCG(High Performance Conjugate Gradient)では、LineShineが2万2004.90TFLOPSで1位となった。前回(2025年11月版)1位のEl Capitanは1万7406.00TFLOPSで2位に後退、富岳は1万6004.50TFLOPSで3位だった(画面2)。

画面2:HPCGの2026年6月版ランキング(1位から3位)(出典:TOP500)
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 LINPACK性能を消費電力で割った電力効率ランキングのGreen500は、1位がフランス・トゥールーズ大学-CNRSの「KAIROS」で、73.282GFLOPS/Wと前回から変わらない。上位3システムはいずれもBullSequana XH3000アーキテクチャ(NVIDIA GH200 Superchip搭載)で、前回から顔ぶれ・順位ともに同じである。

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