[市場動向]

IT主権を再び掌中に、「共創」と「GCC」でAIネイティブへの進化を支援─日本TCS

人材/スキル不足の解消へ、多国籍企業が訴求する「多次元のソーシング」

2026年8月7日(金)神 幸葉(IT Leaders編集部)

日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ(日本TCS)は2026年8月5日、事業戦略説明会を開催した。同社は2024年度に売上高1000億円を達成し、若手採用を通じた組織の若返りと「AIファースト」な体制整備を急ピッチで進めている。説明会では、日本企業がAIを実装するためには、丸投げ型の多重下請け構造から脱却し、自らの「IT主権」を取り戻す必要があると指摘。ITパートナーや顧客との「共創モデル」への移行や、人材不足を補い内製力を高める戦略的グローバル拠点「GCC」などを通じて、顧客を支援していく方針を示した。

AI時代の成長戦略と組織体制

 日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ(日本TCS)は、AIとクラウド、IoTとデジタルエンジニアリング、サイバーセキュリティのサービス領域と、3つの市場セグメントからなる「3×3戦略」を展開している。2024年度の時点で、売上高を1000億円まで伸長させた(図1図2)。

図1:日本TCSの3×3戦略と変化するビジネス環境(出典:日本TCS)
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図2:2024年から2026年現在までの歩み(出典:日本TCS)
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 日本TCS 代表取締役社長のサティシュ・ティアガラジャン(Satish Thiagarajan)氏(写真1)は、2024年に開催した前回の戦略説明会から、ビジネスにおけるAIの立ち位置が大きく変化したことを振り返り、生成AIをはじめとする技術の進化は、日本企業が抱えるコスト削減やスキル不足の課題を解決する起爆剤となっていると語った。

写真1:日本TCS 代表取締役社長 サティシュ・ティアガラジャン氏

 市場の動きに応えるべく、同社は愛媛県にデジタルイノベーションハブを開設するなど、国内でのデリバリー能力を強化。直近の2年間で約600名の新入社員を採用し、2019年当時は50代半ばだった平均年齢が、35〜40歳へと若返ったという。最新技術への適応力が高い組織風土を構築し、社内でも2700名以上にAIトレーニングを実施して「AIファースト」の体制整備を急ピッチで進めている。

 ティアガラジャン氏は「ITの未来は、自律的な運用とわずかな人間の介入によって推進される。人間とAIが協力して働くモデルへの適応は避けられない」と断言した。

●Next:「AI主権」の前に「IT主権」の回復を。AIネイティブ企業へと進化する内製力とGCC

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