[市場動向]

九州大学病院、手術支援ロボットを遠隔操作、細い血管の縫合を検証

2026年9月17日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)

九州大学は2026年9月16日、手術支援ロボットを遠隔操作する実証実験を始めると発表した。九州大学病院から、約110km離れた九州大学病院別府病院に設置したロボットを操作し、細い血管の縫合操作が可能かを検証する。遠隔操作に必要な往復0.005秒以下の低遅延をAPNで実現する。

 九州大学は、手術支援ロボットを遠隔操作する実証実験を始める(図1)。九州大学病院(所在地:福岡市東区)から、約110km離れた九州大学病院別府病院(所在地:大分県別府市)に設置したロボットを操作し、細い血管の縫合操作が可能かを検証する。

図1:手術支援ロボットを遠隔操作する実証の概要(出典:九州大学、日本外科学会、F.MED、NTTドコモビジネス、NTTイノベーティブデバイス、セラン)
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 マイクロサージェリー(顕微鏡を使った微小外科手技)用の支援ロボット(九州大学発のベンチャー企業であるF.MEDが開発)を遠隔操作する(写真1)。直径1mm以下の血管を12-0(直径0.001~0.009mm)の縫合糸で縫い合わせる精度を、遠隔でも損なわずに実現できるかを確かめる。

写真1:九州大学で開発中のマイクロサージェリーロボット(出典:九州大学、日本外科学会、F.MED、NTTドコモビジネス、NTTイノベーティブデバイス、セラン)
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 糸や血管壁の質感を正しく見分けるためには映像を圧縮せずに送る必要があるほか、ロボットの操作には往復0.005秒以下の応答が求められる。実証では、APN(オール光ネットワーク)の大容量・低遅延という特徴を活用し、遠隔操作に必要な通信品質を検証する。APNには、NTTドコモビジネスの「docomo business APN Plus」を使う。

 実証は2段階で進める。2026年度は、映像伝送の基礎検証を実施する。2027年度に、手術支援ロボットの遠隔操作を検証する。

 アノテーションによる遠隔指導についても検証する。指導する医師が手術映像の上に描いた線やマークが、臓器の動きや画面の拡大に合わせて自動的に追いかける仕組みである。これまでのオンライン指導では難しかった「どこを、どのように」という具体的な指示ができる。この仕組みは専用の光回線を必要とせず、インターネット回線があれば全国どの手術室でも導入できる。

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