ケーブルテレビ事業者のJCOM(本社:東京都港区)は、BIツール「Tableau」を導入し、従来の手作業によるデータ活用・分析から脱却した。誰もが必要なデータにアクセスしてみずから分析できる環境を構築した。勉強会も開催し、現場主体で課題解決を進める風土を作った。日立ソリューションズが2026年9月14日に発表した。
JCOM(以下、J:COM)は、全国5大都市圏でケーブルテレビやインターネット、電話などのサービスを展開している。同社は従来、Excelを使って手作業でデータを加工し、レポートを作成していた。しかし、事業成長にともないデータ量が増えるにつれ、分析作業の効率が悪化していった。また、高いスキルを必要とする高度な分析を各部門単位で実施するのは難しかった。
図1:JCOMが運用しているデータ活用基盤の概要とデータ活用イメージ(出典:日立ソリューションズ)拡大画像表示
こうした中、2016年にデータサイエンティストを集めた専門組織を編成し、データの整備に着手した。2018年には、データ分析基盤をリリースし、BIツール「Tableau」を導入した(図1)。その後、経営ダッシュボード、予算管理、NPS、視聴率など、業務用途に合わせて段階的にデータを可視化していった。
Tableauを導入した当初は、情報システム部門やSIベンダーの日立ソリューションズがデータを準備し、ダッシュボードを作成していた。しかし、事業部門からの依頼を受けて情報システム部門がダッシュボードを作成する体制のままでは、思うように活用の裾野が広がっていかないという問題があった。
そこで2021年に「データ民主化プロジェクト」を発足させ、セルフサービス型の分析へと舵を切った。事業部門が必要とするデータを迅速かつ適切に活用できる環境を整備するとともに、従業員一人ひとりがみずからデータを分析できる社内文化の醸成と定着を目指した。個々の従業員のデータ分析スキルを高めるため、勉強会やセミナー、ワークショップも実施した。
現在、J:COM全体で約250のTableauライセンスを使っている。当初はクロス集計表を作成する用途ばかりで、データを可視化する意識を向上させるところからのスタートだったが、今では自部門の業務にデータをどう活用できるかを検討する部門も増えてきたという。
セルフサービス分析の拡大にともない、2024年にはデータプレパレーションツール「Tableau Prep」のサーバーを構築し、データの収集から加工、前処理までのデータ準備作業を効率化した。これにより、現場社員が分析に着手するまでのリードタイムが短くなった。また、作成済みのダッシュボードやレポートを全社で共有する環境として「Tableau Server」も導入した。
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