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カプコン、オンプレミスのデータ分析基盤をクラウドDWHで刷新、レポート作成時間を8割削減

新基盤の下、RAGやAIエージェントなどAI活用の本格化を進める

2026年7月22日(水)日川 佳三、河原 潤(IT Leaders編集部)

ゲームメーカーのカプコン(本社:大阪市中央区)は、データドリブン経営の強化とAI活用の加速に向け、データ分析基盤を刷新した。データ基盤にクラウドDWHの「Snowflake」、BIプラットフォームに「Tableau Cloud」を採用。レポート作成時間を約80%削減し、システム障害時のデータ復旧時間を約75%短縮したという。新基盤の下、RAGやAIエージェントなどAI活用の本格化を進める。導入を支援した日立ソリューションズが2026年7月15日に発表した。

 カプコンは、「モンスターハンター」や「バイオハザード」「ストリートファイター」などの世界的ヒット作で知られる総合ゲームメーカーである。ゲームソフトの企画・開発だけでなく、ライセンス展開やアミューズメント施設運営まで幅広く手がけている(関連記事『モンスターハンターワイルズ』の開発で、カプコンのITチームが重視したこと)。

 同社は、ゲームソフト販売の約90%をデジタルが占め、227の国や地域で事業を展開している。デジタル販売の進展により販売動向やユーザー行動などのデータが急速に増加する中、次期コンテンツの内容やリリース時期、価格設定といった開発・販売戦略へデータを生かす取り組みを進めていた。

 その一方で、従来の社内サーバー上の分析基盤では、データの急増や多様化に伴う処理性能の低下、および障害時の復旧時間の長さが課題となっていた。さらに、社内からの多様な分析要件に柔軟に対応することが難しく、改修のたびに運用負荷が増大していたほか、SaaS型のAI予測ツールとのデータ連携にも多くの工数を要していた。

 また、レポート基盤においては、セールスフォース・ジャパンの「Tableau」において、オンプレミス版とクラウドサービス版を併用しており、ライセンス重複によるコスト増やデータのサイロ化、サーバー運用管理が大きな負担になっていたという。

図1:カプコンが刷新したデータ分析基盤の概要(出典:日立ソリューションズ)
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 こうした課題を解消してデータドリブン経営の強化とAI活用の加速を図るため、カプコンは新たなデータ分析基盤の構築に取り組んだ。RDBMSに集約していた巨大なデータマート構成から、大規模なデータレイクを基盤としつつ用途ごとのデータマートを複数用意する構成へと見直しを実施した(図1)。

 中核となるデータ基盤にはSnowflakeのクラウドデータウェアハウス(DWH)「Snowflake」を採用し、BIプラットフォームは「Tableau Cloud」に一本化した。導入・構築にあたっては、両製品に関する実績や支援体制を評価して、日立ソリューションズをパートナーに選定した。

レポート作成時間を8割削減、AI活用の本格化も推進

 2025年2月に新基盤への移行を完了し、カプコンのデータ活用環境には顕著な改善が表れている。定量的な効果として、パフォーマンス向上により実務で扱いやすい環境が実現し、従来と比較してレポート作成時間を約80%削減した。また、オンプレミスとクラウドに分散していたBI環境がTableau Cloudへ統合されたことで、サーバー運用負荷や二重ライセンスの問題も解消している。

 システム障害対応においても大きな成果が出ている。データ復旧時間について、最大約8時間かかっていたところを約2時間へと短縮(約75%減)し、事業継続性の向上に貢献している。さらに、Snowflakeの標準コネクタを活用することで、SaaS型AI予測ツール向けのデータ加工や連携が容易になり、担当者の運用負荷軽減にもつながっているという。

 カプコンは今後、ゲームの販売データに加え、アミューズメント施設やプロモーションイベントなどのデータも連携させ、部門横断的で高度な分析を推進する計画を立てている。

 また、新データ分析基盤の活用を深めていく中で、販売予測や異常検知に加え、RAG(検索拡張生成)の仕組みや自然言語で問い合わせ可能なAIエージェントの検証など、AI活用の本格化を進めるとしている。

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