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小川建設、基幹業務システムをオフコンから建設・工事業向けクラウドERPに刷新

2026年9月4日(金)日川 佳三(IT Leaders編集部)

小川建設(本社:東京都新宿区)は、オフコンで動いていた基幹業務システムを、建設・工事業向けのクラウドERPシステムで刷新した。データを容易に把握できるようになったほか、月次処理の負荷が減った。ERP「PROCES.S」を提供した内田洋行ITソリューションズが2026年9月4日に発表した。

 小川建設は、オフコンで稼働する基幹業務システムを30年以上利用してきた。原価管理・会計、経費精算・勤怠管理をカバーし、オーダーメイドで構築したものである。保守終了が迫っていたほか、オフコンを扱えるエンジニアの不足もあり、2021年ごろから入れ替えの検討を始めた。

 同システムは運用が属人化していた。画面や操作方法が特殊で、特定のメンバーでなければできない業務があった。不具合に対処できる人も少なく、月末の締日にトラブルがあると経理処理が遅れることもあった。勤怠管理も、紙の勤務表をExcelに手入力してデータを出力する仕組みで、このためのマクロを組める社員も少なかった。

 こうした中、新たなパッケージシステムとして、建設・工事業向けのERPシステム「PROCES.S(プロセス)」(内田洋行ITソリューションズが提供)を導入した。クラウド型で動作し、1つのパッケージで必要な業務をカバーできることなどを評価した。2023年に導入プロジェクトに着手し、基本設計や業務整理、必要なカスタマイズを段階的に進め、2025年1月に稼働させた。

 導入にあたっては、PROCES.Sに業務を合わせることを前提にした。例えば、同社は各現場の作業所長が一定の権限を持ち、他社と比べて申請・承認ルートが多い。以前のシステムでは目的に応じた伝票ごとにルートを設定していたがPROCES.Sでは難しいため、入力者がルートを選択する形に切り替えた。運用の工夫でもまかなえない部分は最低限のカスタマイズを施した。

 PROCES.Sを導入したことで、データを容易に把握できるようになった。今までは、データを同期しないと情報が更新されず、日次・月次の単位でしか原価などの数字を確認できなかった。現在は、リアルタイムに数字を把握できるようになった。また、特定の社員に依頼しなくても、自分たちでデータを抽出・インポートできるようになった。

 経理の月次処理でも効果があった。従来は、システムへの入力完了を確認した後、データを1日がかりで抽出し、Excelに取り込み、紙の資料を作成していた。毎年の決算も、合計3日程度の作業が必要で、数字が確定するまでは半月程度システムが使えなかった。しかも、エンジニアと一緒に処理にあたる必要があった。PROCES.S導入後は、こうした抽出・出力の作業が減ったほか、経理部門だけで業務をこなせるようになった。

 現場の負担も減った。例えば、以前は事務所が移るたびに、設定・接続の作業が必要だった。通信環境によっては送受信エラーが発生し、ローカルとデータベースの間で数値に差異が生じることもあった。承認するためだけに課長が事務所を訪れなければならないケースもあった。クラウド化により、こうした課題を解消した。

 入力に不備があった場合の修正もスムーズになった。従来は、紙の伝票のやり取りを含め、入力者本人が修正入力を完了するまで、かなりの時間がかかっていた。今は、データをオンラインで本人と一緒に参照しながら原因を特定し、修正のアドバイスができるようになった。

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