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[データマネジメント2026]

生成AI活用の第一歩はマスターデータマネジメント(MDM)から

企業のナレッジを未来に活かすためのデータ品質管理

2026年5月14日(木)

2026年3月11日に開催された「データマネジメント2026」(主催:日本データマネジメント・コンソーシアム〈JDMC〉、インプレス)にNTTドコモビジネスX データマネジメントソリューション部 MDM エバンジェリスト 水谷哲氏が登壇。生成AIの活用におけるマスターデータマネジメント(MDM)の重要性と、MDMの役割について解説した。
提供:NTTドコモビジネスX株式会社

 生成AIの最前線では、ハルシネーション対策からデータ品質に重点が移っている。低品質なデータは低品質なアウトプットを生むだけでなく、RAG(Retrieval-Augmented Generation/検索拡張生成)などによって自社のAIシステムに埋め込まれれば誤った判断を繰り返すことにつながるからだ。

 そんななかNTTドコモビジネスXの水谷氏が強調するのが、データ品質を向上させるためのマスターデータマネジメント(MDM)の重要性だ。

 「生成AIは『役に立つブラックボックス』です。確かに便利に使えるのですが、ブラックボックスなので中を覗こうとしてもわかりませんし、完全に制御することもできません。そのため中を覗くよりも外を固めるほうが得策です。外というのは、テクノロジーではなく人間が関与する世界であり、MDMにおいても人が重要になります。生成AIやAIエージェントなどのトレンドに流されず、まずMDMに取り組むことが重要です」(水谷氏)

NTTドコモビジネスX株式会社 データマネジメントソリューション部 MDM エバンジェリスト 水谷哲氏NTTドコモビジネスX株式会社 データマネジメントソリューション部 MDM エバンジェリスト 水谷哲氏

 LLM(大規模言語モデル)はインターネット上の公開文書を集大成させたものであり、多くの専門知識も含まれている。ただ、米国を中心とした英語圏の情報が多く、日本企業固有の事情や独自のルールは含まれていない。また、生成AIをベースにしたAIエージェントも、人の指示を受けてLLMの知識を使って計画を立て、MCP(Model Context Protocol)サーバーにアクセスする(図1)。

図1:生成AIもAIエージェントも完全に制御することはできない図1:生成AIもAIエージェントも完全に制御することはできない
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 「生成AIがどのMCPサーバーをどのように連携してタスクをこなすかの計画を立案するプロセスの詳細などは不明瞭であり、MCPサーバー同士のやりとりも伝言ゲームのような危なっかしさがある。LLMやエージェントAIをそのまま企業で使うのに不安があるという状況だ。そこで重要になってくるのが外にあたる社内知識を充実させることだ」(水谷氏)

生成AIの「外」を固めるアプローチ

 「外」を固めるアプローチの1つにRAGの活用がある。生成AIはそのままでは自社固有の事情やルールを扱うことはできない。そこでRAGを利用して自社のリソースから情報を収集し、それをプロンプトに追加する。

 また、バイブコーディング(Vibe Coding)も「外」を固めるアプローチの1つになる。生成AIがプログラムを自動で作るものだが、その際には仕様書で指示を出す。バイブコーディングできちんとしたプログラムを作成するには、仕様書が重要になる。

 「RAGにおける自社の知識や情報、ルールの設定、バイブコーディングにおける仕様書などは、ブラックボックスである生成AIの外側をかためる仕組みです。実際にこれらを利用する場合は、知識や情報、仕様をデータとして生成AIに与えることになります。そこで課題になるのが、データをどう生成AIに与えるのかという点です。データを与える際には、データの中身をどう整えるかが課題になります。この課題はテクノロジーだけでは解決できません」(水谷氏)

 実際、生成AIというテクノロジーを導入しただけでは、活用までには至らない。活用するためのデータの整備は人間が行う必要がある。

 「RAGでは『正しい表現になっているか』『中身は正しいか』『ソースを持っているか』という視点で整備されたナレッジが必要です。バイブコーディングでも、正しい仕様の大前提となるのは現状把握です。結果の精度は、現状把握の精度を超えることはありません。現状把握と要件定義など正しいナレッジをもとに仕様書を作成しなければ、よいプログラムは生成されないのです(図2)」(水谷氏)

図2:バイブコーディングに必要なものは現状把握を含めた「ナレッジ」図2:バイブコーディングに必要なものは現状把握を含めた「ナレッジ」
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ナレッジの源泉は「人」

 ナレッジとは必要な正しい知識がまとまっている状態を指す。例えば、受注業務では、「この顧客にいくらまでなら売っていいか」といった与信がナレッジとなる。与信というナレッジを複数集め、「どの企業にどのくらいの与信を設定しているか」といった与信の管理もナレッジだ。工場設備では計測データがナレッジとなり、どの設備にどう機器を設置し、どのセンサーが反応したかもナレッジとなる。

 ナレッジを格納するデータベースとしては、ベクトルデータベースやグラフデータベースなどがある。ただし、データベースはナレッジを格納するだけの存在であり、ナレッジが間違っていれば間違ったナレッジとして格納されてしまう。

 「生成AIのデータをいくら切り貼りしてもナレッジにはなりません。車の走行データをどんなに機械学習しても走行している道路の制限速度は行政に問い合わせるしかありません。テクノロジーだけではナレッジは揃わないということです」(水谷氏)

 では企業のナレッジはどんなものなのか。水谷氏は「ナレッジの源泉は人にある」と語る。

 「社内の決めごとなど、人が意思決定したり定義するしたものはナレッジです。例えば顧客を大口、小口に分けたり、ある商品の分類を決めたりなど、誰がどう定義したかは生成AIが知りえないことです。社内の決めごとの塊として社内文書があります。その文言を読んで分からないなら、生成AIに聞くのではなく書いた人に聞けばいいのです」(水谷氏)

ナレッジを活かすMDM

 マスターデータは本来、複数のシステムや部門で使い回すために保存し、共有するものだ。しかし、長い年月の中でシステム拡張や組織変更が行われ、結果的に「特定のシステムでしか通用しないマスター」が乱立する事態が多くの企業で起こっている(図3)。

図3:マスターデータは組織やデータの種類を問わず、シェアする目的で作られた共有のデータ資産図3:マスターデータは組織やデータの種類を問わず、シェアする目的で作られた共有のデータ資産
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 マスターデータの分断を打破するのがMDMだ。MDMは、一行一行のマスターデータそのものを管理する「レコード管理」と、マスターデータのチェックルールや変換ルール、変更の際の承認ルートなどを定義する「メタデータ管理」の2つが柱となる。

 「マスターデータについて『今回、ここをこう変えたいです』という話があったときに、議論できる場があって、決裁できる人がいて、変更をシステムに即座に反映できて、関係者みんなが納得できる状態であるべきです。それがMDMです」(水谷氏)

 MDMにおいては勝手にデータをまとめるのではなく、関係者と会話し、担当者が所持しているExcelの中身にまで踏み込み、それをER図(実体関連図)にまとめていく。

 「ナレッジの集大成がER図になるのであって、逆ではない。人と会話し、議論した果てに、結晶としてER図が残るような状態を、ナレッジが整った状態と考えています」(水谷氏)

MDMソリューション「TIBCO EBX」

 マスターデータのメタデータ管理ができていないと、基幹システムの再構築などのたびに、現状調査だけで半年以上費やしてしまうことも珍しくない。また時間が経てば経つほど「なぜそうなったのか」がわからなくなり、「わからないから変えられない」という事態が発生する。しかし、着手するにはノウハウやツールが必要だ。NTTドコモビジネスXでは、MDMソリューション「TIBCO EBX」や、MDM導入を支援する「試行サービス」を提供している(図4)。

図4:データの集配信、データ品質、データモデルを実現する総合MDMソリューション「TIBCO EBX」図4:データの集配信、データ品質、データモデルを実現する総合MDMソリューション「TIBCO EBX」
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 「誰かが一度苦労してでも、『誰でも5分でわかる状態』を作り上げることが、企業にとって大きな財産となります。正しい情報をもとに生成AIを活用するためにもぜひMDMに取り組んでいただきたい」(水谷氏)


●お問い合わせ先

NTTドコモビジネスX株式会社
データソリューション営業部

https://www.nttcoms.com/service/TIBCO/products/ebx/

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