[事例ニュース]

商工中金、長年運用した営業支援システムを刷新、AIエージェントの開発にも着手

Agentforceで顧客情報の要約や類似取引の自然言語検索を可能に

2026年6月8日(月)日川 佳三、河原 潤(IT Leaders編集部)

商工組合中央金庫(商工中金)は、2008年から利用してきたスクラッチ開発の営業支援システムをSalesforceで刷新した。現在、営業担当者を含む全国約3300人の従業員がSalesforceを使い、日々の顧客情報や商談履歴を一元管理している。2026年4月には「Agentforce for Sales」を用いてAIエージェントの開発に着手。訪問前に顧客情報を要約する機能や、類似取引を自然言語で検索する機能を展開する。セールスフォース・ジャパンが2026年6月8日に発表した。

 商工組合中央金庫(商工中金)は、全国の中小企業を支援するために設立された中小企業専門の金融機関。政府と民間の共同出資によって1936(昭和11)年に設立され、2025年に完全民営化された。全47都道府県に店舗網を展開し、国内だけでなく海外拠点(ニューヨーク、香港、上海、バンコクなど)も構えて企業のグローバル展開を支援している。

 商工中金は2008年からスクラッチで開発した営業支援システムを利用していたが、長年の改修でシステムが複雑化していた。情報の検索に時間がかかるなどの課題のほか、個人の経験に依存した営業スタイルから脱却し、組織全体で知見を共有・活用する伴走型支援への転換も急務だったという。

 こうした課題を受け、セールスフォース・ジャパンの「Salesforce Sales Cloud」を導入して、同システムを刷新した。現在、営業担当者を含む全国約3300人の従業員がSalesforceを使い、日々の顧客情報や商談履歴を一元管理している。

 加えて、顧客向けポータル/コミュニティ構築プラットフォーム「Customer Community」(図1、旧製品名:Experience Cloud)を活用して法人ポータルを構築し、顧客接点のデジタル化を図った。決算書の提出や財務・ESG診断などの機能をオンラインで提供している。リアルな接点だけでは把握できなかった顧客の関心事をデータとして可視化している。

図1:「Customer Community」の概要(出典:セールスフォース・ジャパン)
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 商工中金は、定量的なROIだけでなく、顧客との対話や戦略の立案にあてる時間の増加など、営業活動の質的変化を重視している。実際に、情報検索の効率化によって、現場からは「顧客に向き合う時間が増えた」という声が上がり始めたという。

 2025年後半には、営業店の130人規模でAIエージェントのPoCを実施した。有効性を確認し、2026年4月には「Agentforce for Sales」を用いたAIエージェントの開発に着手。訪問前に顧客情報を要約する機能や、類似取引を自然言語で検索する機能を展開する。「従来の記録のための入力から、使うための資産としての入力へと、職員のマインドが変化する」としている。

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