[市場動向]

AI任せで人間の思考は停止していないか? 一般社団法人「人間中心のAIコンソーシアム」設立

生成AIの急速な普及で揺らぐ人間の判断と責任、産学連携で目指すAIと人間の共創

2026年7月23日(木)神 幸葉(IT Leaders編集部)

博報堂DYホールディングスのAI先端研究や技術開発を行う組織であるHuman-Centered AI Institute、日立製作所、GMOペパボ、スマートガバナンスは2026年7月21日、一般社団法人「人間中心のAIコンソーシアム」を設立した。研究・開発・社会実装・政策提言等の活動を通じ、社会における健全なAI活用推進を目的とする。

「人間中心のAI」とは何か

 博報堂DYホールディングスのAI先端研究や技術開発を行う組織であるHuman-Centered AI Institute、日立製作所、GMOペパボ、スマートガバナンスが発起法人となり、2026年7月21日に「人間中心のAIコンソーシアム」を設立した。

 そもそも「人間中心のAI」とは何か。人間中心のAIコンソーシアム 共同代表理事 で博報堂DYホールディングス 執行役員 CAIO(Chief AI Officer)の森正弥氏(写真1)によれば、同概念のベースは1990年代に提唱された人の目的や欲求を起点とする製品やシステム開発のアプローチである「人間中心設計」にあるという。「人にとってAIが使いやすいか、また人の意思決定をAIが的確に支援しているかの観点からのアプローチだ」(森氏、図1)。

写真1:博報堂DYホールディングス 執行役員 CAIO 森正弥氏
図1:人間中心のAIとは(出典:人間中心のAIコンソーシアム)
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 2010年代クラウドの普及以降、ビッグデータ活用の隆盛に伴いAIがさまざまな産業や社会の基盤として使われるようになり、AIの安全・公平性、プライバシー、透明性の担保についての議論が進んだ。2019年には内閣府が「人間中心のAI社会原則」を提唱し、AI政策の前提の1つに位置づけられた。

 一方で日本国内では、人間中心のAIという概念がまだ十分に世の中に浸透していない。人間中心のAIを原則として掲げる企業や、それを専門的に扱う組織も限られている。

 森氏は次のように同コンソーシアムの位置づけを説明し、目指すビジョンとして図2を示した。「人間中心のAIという考え方は現在国内外において重要なポジションを持ち、進化を重ねている。しかし近年は、生成AI開発の進展によりハルシネーションやミスインフォメーションといった問題に加え、AIへの依存、著作権侵害、社会的格差の拡大など新たな問題も提示されるようになった。こうした課題に対処する上でも、人間中心のAIというコンセプトをいかに適切に普及、発展させていくかが重要だ」

図2:人間中心のAIというコンセプトが目指すビジョン(出典:人間中心のAIコンソーシアム)
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●Next:AIと人間の向き合い方を見直す必要性、コンソーシアムが始動する4つの分科会

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