[市場動向]

侵入からわずか39秒で侵害へ、AIの悪用に「AIで対抗」する次世代セキュリティ—Rubrik

サイバー攻撃からAIエージェントの誤動作まで、データ保護・復旧で備える

2026年9月8日(火)神 幸葉(IT Leaders編集部)

米Rubrikの日本法人Rubrik Japanは2026年9月3日、ユーザー・パートナー向けの年次イベント「FORWARD TOKYO 2026」を開催した。イベントに合わせて開催した説明会では、AI技術によりサイバー攻撃が高速化する現状に警鐘を鳴らし、「AIにはAIで対抗」するエージェント型サイバーレジリエンスの重要性を強調。万が一の被災を前提とし、早期に事業を復旧させるための同社のソリューションと日本市場における戦略を紹介した。

AIによるサイバー攻撃の劇的な変化

 これまでのサイバーセキュリティは、人間が手動で攻撃を仕掛け、人間がそれに気づいて対処するという構造だった。しかし、AIの台頭により、この前提は崩れ去ろうとしている。米Rubrik(ルーブリック) 共同創業者 会長 兼 CEOのビプル・シンハ(Bipul Sinha)氏(写真1)は、現代のサイバー攻撃のスピードについて次のように警鐘を鳴らした。

写真1:Rubrik 共同創業者 会長 兼 CEO ビプル・シンハ氏

 「攻撃者のシステム侵入から、実際にデータの暗号化や流出といった侵害に至るまでにかかる時間の平均は、5年前は24日だったのに対し、現在わずか39秒だ。サイバーセキュリティの世界は、人間の攻撃者とオペレーターが戦う世界から、AIの攻撃者がエージェント主導の企業を攻撃する新世界へ、パラダイムはシフトしている」

 2026年初頭にRubrikが発表した調査によると、日本のリーダーの83%が、「年内にAIエージェントがセキュリティのガードレールを凌駕する」と予想している。一方で、「AIエージェントがどのように稼働しているかを完全に可視化できている」企業・組織は38%に留まった。さらに日本のリーダーの90%が、エージェント主導のインシデントが拡大する中で、復旧目標を達成できるかどうか懸念しているという。シンハ氏は調査結果に対し、「リーダーの9割が、自組織がAI攻撃から復旧する能力に自信を持っていないことは深刻な問題だ」とコメントした。

AIにはAIで対抗、エージェント型サイバーレジリエンス

 では、圧倒的なスピードの攻撃に対して、企業はどのように身を守ればよいのか。シンハ氏は、侵害を前提とした”エージェント型サイバーレジリエンス”の必要性を訴え、同社のソリューションと新機能を紹介した。

 エージェント型サイバーレジリエンスの中核となるのがAIエージェント「Rubrik AI」だ(図1)。システム内で発生している異常なアクティビティを自律的に検知・隔離し、ユーザーに対して取るべき推奨アクションを提示する。ユーザーが承認すれば、AIが迅速に復旧作業などを実行するという。

図1:Rubrik AIの概要(出典:Rubrik Japan)
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 さらに、企業自身が業務効率化のために導入しているAIエージェントを保護・統制するためのプラットフォームが「Rubrik Agent Cloud」だ(図2)。企業内で稼働する様々なAIエージェントの挙動を可視化し、実行時のセキュリティを担保する。Rubrik Agent Cloudの新機能である「Agent Identity」は、AI エージェントとMCPサーバーをリアルタイムかつ包括的に監視し、ツールごとのアクセス制御と意図しないアクションの修復を実現する。

図2:Rubrik Agent Cloudの全体像(出典:Rubrik Japan)
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 「企業がAIエージェントを導入する際、どのようなエージェントが存在するのかを把握し、ランタイムで保護し、もし誤った行動をとった場合には元に戻す必要がある。市場ではこれらが別々のツールとして販売されているが、Rubrik Agent Cloudはエージェントの可視化、実行時セキュリティ、意図しない行動の影響を取り消す機能まで、単一のプラットフォーム上で提供する」(シンハ氏)

●Next:侵害を前提とした事業継続性の確保、日本市場における戦略

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