[事例ニュース]
国交省、インフラ整備の発注/審査を支援するAIエージェントの開発に着手、発注書類の不整合を検証
2026年9月8日(火)IT Leaders編集部、日川 佳三
国土交通省は、インフラ分野の発注業務と技術提案審査業務を支援するAIエージェントを開発・検証する。発注時に作成する図面や仕様書など複数の書類間の食い違いをAIが検証するほか、技術提案審査の事実確認作業を支援する。Preferred Networks、デロイト トーマツと共同で開発する。Preferred Networksが2026年9月8日に発表した。
国土交通省は現在、インフラを整備・管理する業務プロセスにAIを積極的に活用する方針を打ち出している。特に、発注時に作成する「図面・数量総括表・特記仕様書」の3点セットは形式が異なるために修正の反映が漏れやすく、文書間の不整合が公告後の質問・修正につながる。また、技術提案の審査業務では、業務実績などの事実確認の手間が大きいという。
これらを解決すべく、2つのAIエージェント「発注図書のクロスモーダル整合性検証」「技術提案審査支援」を開発して実証する。プロジェクトをPreferred Networks(PFN)とデロイト トーマツが支援し、共同で開発する。
発注図書のクロスモーダル整合性検証エージェント(図1)は、発注図書を構成する図面(PDFなど)、数量総括表(Excel)、特記仕様書(Word)という形式の異なる3種類の文書を横断的に解析し、相互の整合性を検証する。視覚言語モデル(VLM)と大規模言語モデル(LLM)を組み合わせて実現する。発注段階でAIエージェントが不整合を検出・候補提示することで、修正作業や質問対応の負荷軽減を目指す。
図1:発注図書のクロスモーダル整合性検証のイメージ(出典:Preferred Networks)拡大画像表示
もう1つの技術提案審査支援エージェントは、技術提案の審査において、審査担当者による事実確認や整理作業を支援する。業務実績などの事実確認、入札要件と提案内容の照合、評価観点ごとの関連箇所の提示、公平審査のための企業名・個人名のマスキング候補抽出などを担う。
両エージェントは、職員の判断を支援することを目的として、Human-in-the-Loop(HITL)型の構造を採用する。人が確認して判断するプロセスを組み込んだ設計とする。AIの出力には、根拠ページ、該当箇所、信頼度、要人確認フラグを付与し、公共実務が求める正確性、監査性、説明責任を保ちつつ業務を効率化することを目指す。
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