[インタビュー]

AIエージェントを“市民開発”する「NCAB」とは? 黎明期のAIエージェント市場を読み解く

米ガートナー ディスティングイッシュト バイスプレジデント アナリスト ジェーソン・ウォン氏

2026年7月23日(木)田口 潤(IT Leaders編集部)

生成AI/LLMの次なるテクノロジーとして注目を集めるAIエージェント。これをノーコードで構築・運用するための「NCAB(ノーコード・エージェント・ビルダー)」と呼ばれるツールが増えている。それらはどんな機能を備え、ユーザー企業にどんな価値をもたらすのか。そもそもAIエージェント市場はどんな構造になっているのか。米ガートナーのアナリストに聞いた。

 生成AIの利用環境を整備し、研修も実施した。おかげで議事録作成やアイデア出し、文献調査、企画書の作成、データ分析といった仕事にAIを活用する社員は増えている。しかし、そこから先に展開できない企業は少なくないようだ。例えばprimeNumberが実施した「AI・データ活用実態調査 2026」では、AIを活用して「明確な成果が得られている」と回答した企業は16.4%に留まる。

 この状況を打破する有力な手段の一つがAIエージェントの“市民開発”かもしれない。少し前まではAIチャットボットを作るにも、専門のエンジニアと相当の予算が必要だった。今では「NCAB(ノーコード・エージェント・ビルダー)」と呼ばれるツールにより、一般のビジネスパーソンが自社データや外部ツールと連携するAIエージェントを数日で構築・運用できるようになった。

 例えば、規程集やマニュアル、FAQなどを元にAIに回答させるRAG。NCABを使えば、PDFやCSV形式のファイルをアップロードするだけでRAG付きエージェントを作れる。またNCABにはSlackやSalesforce、Notion、GoogleワークスペースといったSaaSと連携するコネクタがあるので、「問い合わせメールの内容を要約し、Salesforceの顧客情報を更新してSlackに通知する」といった処理を行うエージェントをノーコードで構築できる。

写真1:米ガートナー ディスティングイッシュト バイス プレジデント アナリストのジェーソン・ウォン氏

 では、そういった利点のあるNCABを、企業はどのように選定・活用すればいいのか。注意すべきポイントは何か。NCABに詳しい、米Gartner(ガートナー)のジェーソン・ウォン(Jason Wong)氏(ディスティングイッシュト バイス プレジデント, アナリスト)に聞いてみた(写真1)。以下、一問一答形式でお伝えする。

 なお同氏は6月に開催された「ガートナー アプリケーション・イノベーション & ビジネス・ソリューション サミット 2026」において、「NCAB(ノーコード・エージェント・ビルダー)を活用して拡張コネクテッド・ワークフォースを実現する」と題し、講演している。

●Next:NCABが備える10の機能とは

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