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安藤ハザマ、山岳トンネル工事の遠隔施工管理を実証、APNで1000km先から8K映像を伝送

2026年3月10日(火)IT Leaders編集部、日川 佳三

安藤ハザマ(本社:東京都港区)は2026年3月10日、建設現場への先端技術適用検証の一環として、APN(全光ネットワーク)を活用した山岳トンネル坑内での大容量高速データ通信の実証実験を、NTTおよび1Finityと共同で開始したと発表した。同年3月2日から3月17日まで実施する。8Kカメラの高精細映像やレーザースキャナの点群データなど、大容量データを坑内からリアルタイムに伝送し、複数箇所の同時遠隔監視や遠隔臨場を可能にする通信基盤の確立を目指す。

 大手ゼネコンの安藤ハザマは、建設現場への先端技術適用検証の一環として、APN(All-Photonics Network:全光ネットワーク)を活用した山岳トンネル坑内での大容量高速データ通信の実証実験を、NTTおよび1Finityと共同で開始した(図1)。

図1:安藤ハザマが取り組む、山岳トンネルでの大容量高速データ通信の実験概要(出典:安藤ハザマ)
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 取り組みの背景として、山岳トンネルの施工現場では、人手不足や熟練者の高齢化に加え、災害リスクが高い切羽(掘削最前線)近傍での作業が存在し、安全確保に向けた施工の遠隔管理が強く求められていることを挙げる。「従来の現場ネットワークでは、遠隔管理における現場技術者の施工判断に必要不可欠な高精細映像や大量の点群データを、リアルタイムで安定的に伝送することが課題となっていた」(安藤ハザマ)。

 実証実験は、中日本高速道路(NEXCO中日本)が発注する「東海北陸自動車道(4車線化)椿原トンネル工事」(岐阜県大野郡)の現場において、2026年3月2日から17日にかけて実施する。NTTのAPN「IOWN APN」に接続する専用ネットワークを坑内に構築し、実運用を想定した通信負荷をかけて実稼働性を評価する。以下は実証内容の要点である。

  • 坑内に光ファイバーやスイッチ、ルーターなどの大容量高速通信ネットワークを構築し、8K解像度の360度カメラやレーザースキャナ、ダミーデータ発生装置を用いて実運用時の負荷を再現する。
  • 延長1500mの山岳トンネル区間と、そこから1000km離れた遠隔拠点間の遅延を再現する。また、複数カメラを同時接続した高負荷試験を実施し、通信帯域や遅延、ジッタ、パケットロス、エラー率等の情報通信基盤に関する技術要件を定量的に計測する。

 安藤ハザマは同実証を通じて、粉塵や湿気、振動など通信機器にとって過酷な環境となる山岳トンネル坑内での通信の実効性と、運用上の課題を明確化し、山岳トンネル向けの通信技術要件や評価基準、標準的な導入ガイドラインの整備を進める。

 将来的には、この過酷な現場環境で実証された通信技術とノウハウを、さまざまな通信環境下で行われる土木・建築工事全般へ対象を広げ、水平展開することを見据えている。

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