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[データマネジメントを全社的活動へ!課題とアクション]

生成AI活用は“関心”から“実装”フェーズへ、成否を分けるのはデータ整備とガバナンス:第1回

インプレス『生成AI時代のデータマネジメント調査報告書2026』より

2026年3月2日(月)杉田 悟(IT Leaders編集部)

生成AIの活用は“関心・試行”から、自社データと連携させて実業務に組み込む“実装”フェーズへと移行している。特にRAG(検索拡張生成)などの手法が注目される中、活用の成否を分けるカギとして、非構造化データの整備やガバナンスといったデータマネジメントの重要性が再認識されている。2026年1月刊行の調査レポート『生成AI時代のデータマネジメント調査報告書2026』(インプレス刊)では、データ品質やマスターデータ管理、データ連携/統合、生成AI活用、推進体制/人材育成など、多様な観点から国内企業の取り組みの実態を明らかにしている。本連載では、3回にわたって調査結果の一部を紹介し、データマネジメントの現在地を把握すると共に、活動のあり方を考察する。

企業内データ連携による生成AI活用、約4割が「すでに行動」段階へ

 生成AIの活用は、企業内データと連携させることで、より実践的な段階へと進み始めている。単独で生成AIを利用するのではなく、社内に蓄積されたデータベースや文書を活用し、業務に即した回答や示唆を得ようとする動きが広がっている。

 一方で、企業にはこれまで以上に「責任ある活用」が求められるようになっている。生成AIは業務効率化や価値創出の可能性を大きく広げる一方で、誤情報の生成(ハルシネーション)や著作権侵害、機密情報の漏洩といった新たなリスクも内包している。こうした問題が顕在化した場合、その責任は個々の利用者ではなく、企業全体のガバナンス体制に向けられることになる。

 では、企業はこの課題にどこまで向き合い、実際にどの程度、生成AIと企業内データの連携に踏み出しているのだろうか。以下では、調査結果を基に、企業における生成AI活用の進捗状況と、それを支えるデータマネジメントの実態を見ていく。

 企業内データと連携させた生成AIの活用状況について聞いたところ、「関心はあるが、まだ具体的な取り組みや検討は行っていない」が43.9%と最も多く、全体としては依然として検討初期段階の企業が多い。一方で、「すでに活用している」(15.8%)と「導入に向けた取り組み、検討を行っている」(28.2%)を合わせると44.0%に達しており、約4割の企業がすでに何らかのアクションを起こしていることが分かる(図1)。

図1:企業内データと連携させた生成AIの活用状況(出典:インプレス『生成AI時代のデータマネジメント調査報告書2026』)
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 こうした活用を支える技術としては、「企業内のデータベースやドキュメントから関連情報を検索し、その情報を基に生成AIに回答を生成させるRAG(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成)」が57.1%で最も多く、企業内データ連携の本命技術として定着しつつある。一方で、プロンプトエンジニアリング(50.6%)やファインチューニング(45.3%)も一定の割合を占めており、企業の成熟度や用途に応じて複数の手法が併存している点も特徴的だ(図2)。

図2:企業内データと連携させる技術や手法(出典:インプレス『生成AI時代のデータマネジメント調査報告書2026』)
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●Next:生成AIの本格活用を前に、企業が抱えている課題と対策の状況

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