住友商事(本社:東京都千代田区)は、法律分野のリサーチ業務を効率化するAIツール「Legalscape(リーガルスケープ)」を導入した。導入から約半年で、初めて扱う法分野の初動リサーチに要する時間が従来の2分の1以下になった。同ツールを提供したLegalscapeが2026年5月8日に発表した。
住友商事は、国内外で多岐にわたる事業を展開している。法務部では各事業に応じた法律の知見が求められるが、国内外の法律や規則、ガイドラインなどの情報を収集するにあたり、これまでは担当者個人の経験に頼らざるを得なかった。
特に、若手担当者にとっては初めて扱う分野の案件も多く、関連文献の調査から着手しなければならないケースが少なくなかった。インターネット検索による初動調査では情報の信頼性に懸念が残るため、信頼できる情報にできるだけ速くアクセスする仕組みが必要だった。
こうした課題を受け、同社のDX対応ワーキンググループが主導し、法律分野のリサーチ業務を効率化するAIツール「Legalscape(リーガルスケープ)」を導入した。4000冊超の法律専門書籍、約8000件の法令、判例、ガイドラインを自然言語で検索できるツールである。根拠となる参照元を明示しつつ要点を要約して提示する(画面1)。
画面1:法律分野のリサーチ業務を効率化するAIツール「Legalscape」の利用画面(出典:Legalscape)拡大画像表示
AIによる検索・要約機能を活用することで、従来は1時間程度かかっていた初動リサーチが30分以内で完了するようになった。法務部の鈴岡貴幸氏は「インターネットで論点の取っかかりをつかみ、書庫で関連書籍を手当たり次第に探して机に並べるというプロセスが、ツール上ですべて完結できるようになった」と指摘する。
また、会議中に生じた法的な疑問に対し、その場で回答を得られるようになり、事業部門の意思決定が迅速化した。生成した要約に対して次の質問候補を自動で提示する機能により、プロンプト入力の手間を省きながら、担当者の思考の流れに沿った論点の深掘りも可能になった。
法務部でチーム長補佐を務める藤田夏紀氏は「単なる電子書籍の閲覧ツールではなく、AIが優秀な秘書のように情報を収集・要約してくれる。法務の役割はリスクを指摘してブレーキを踏むことだけではない。論点を素早く整理し、事業の意思決定を前に進めるうえで役立っている」と評価する。
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