Sansanは2026年5月1日、経理部門の会社員2112人を対象に実施した「経理の働き方に関する実態調査」の結果を発表した。6割以上が業務で対話型AIを使っていないと回答した。対話型AIを活用している人の中でも、財務データの分析・レポート作成など経理特有の業務での活用は2割未満にとどまった。主な障壁として「正確性への不安」や「セキュリティーに関するリスク」が挙がった。
Sansanは「経理の働き方に関する実態調査」を2026年2月17日から2月24日にかけてオンラインで実施し、経理部門の会社員2112人が回答した。経理業務は取引先への支払いや納税、決算につながる情報を扱うことから、正確性と機密性が求められる。一方、生成AIにはハルシネーションや情報漏洩のリスクがあるため、適用範囲の見極めが重要になる。
経理業務における対話型AIの活用状況を聞いたところ、「興味はあるが、使ったことがない」が35.5%と最も多く、次いで「興味はないし使う予定もない」が20.3%となった(図1)。「過去に試してみたが、現在は使っていない」も4.4%あり、計60.2%が対話型AIを使っていないと回答した。
図1:経理業務における対話型生成AIの活用状況(出典:Sansan)拡大画像表示
「対話型AIを業務で活用している」と回答した人(39.8%)に具体的な用途を聞いたところ、「メールやチャットの文章作成・添削」が43.7%で最多となり、「経理・税務用語の一般的な検索・調査」が39.0%、「議事録の要約・作成」が33.6%だった(図2)。
図2:経理業務における対話型AIの活用用途(出典:Sansan)拡大画像表示
一方で、「財務データの分析・レポート作成」は17.7%、「試算表・決算書・銀行明細などの数値照合・チェック」は10.8%、「勘定科目や税区分の判定・仕訳データの作成」は9.3%だった。メール作成などの汎用業務では活用が進む一方、財務データの分析・レポート作成や数値の照合・整合性チェック、社内規定に照らし合わせた判断といった経理特有の業務への活用はいずれも2割未満にとどまった。
対話型AIを経理業務で活用するうえでの障壁を聞いたところ、「正確性への不安」が38.8%で最も多く、「セキュリティーに関するリスク」が35.7%、「標準化の困難さ」が33.0%で続いた(図3)。決算や支払いに関わる経理業務の特性上、正確性や機密性を重視していることに加え、AI活用に向けた業務の標準化の難しさもある。
図3:対話型AIを経理業務で活用するにあたっての障壁(出典:Sansan)拡大画像表示
SansanでBill One事業部VPoP(Vice President of Product)を務める笠場愛翔氏は、経理業務での生成AI活用が進まない状況について「生成AIを実業務に適用しようとすると、各社独自のルールに沿った的確な対応ができず、担当者はAIに正確かつ細やかな指示を重ねる必要がある。また、1つでも間違いが出れば、AIが出力したデータをすべて担当者が再確認しなければならず、『工数が減っていない』あるいは『むしろ増加している』という状況すら招きかねない」と指摘する。
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