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常石造船、調達システムをマイクロサービス型で刷新、AI駆動開発で設計・実装工程を7割削減へ

API管理「Kong Konnect」と分散データ基盤「ScalarDB」を採用

2026年6月10日(水)日川 佳三、河原 潤(IT Leaders編集部)

造船大手の常石(つねいし)造船(本社:広島県福山市)は、資機材の調達・在庫を一元管理する調達システムを刷新する。刷新にあたってAI駆動開発を導入し、システムの完全内製化に着手した。APIマネジメントプラットフォームと分散データ基盤を組み合わせてマイクロサービス化を図り、設計・実装・テスト工程の工数を70%以上削減できる見込みである。同社と米Kong日本法人が2026年6月10日に発表した。

 常石(つねいし)造船は、広島県福山市に本拠を置く常石グループの中核会社として船舶の建造と修繕を営む大手造船会社である。国内工場やフィリピン、中国の海外工場を拠点に、ばら積み貨物船やコンテナ運搬船、タンカーなどを建造している。

 同社はこれまで、稼働開始から15年以上運用している調達システムを利用してきた。しかし長年の運用により、構造の複雑化やシステムの分断、保守運用の属人化が進み、市場環境の変化やデータ活用に迅速に対応できない「レガシー化」が課題となっていた。納期短縮やコスト競争力に直結する調達業務において、延命措置ではなく根本的な刷新が不可欠となっていたという。

 今回、単なるシステムの延命措置ではなく、将来的なAI/データ活用を見据え、外部ベンダーへの依存から脱却してITの主導権を自社で握るべく、AI駆動開発による完全内製化を決定した。ビジネスの変化に俊敏に対応できるよう、クラウドネイティブなマイクロサービスアーキテクチャへの転換を図ることにした(図1)。

図1:常石造船が刷新する調達システムのアーキテクチャ(出典:常石造船)
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 新たなシステム基盤には、Kong(コング)のAPIマネジメントプラットフォーム「Kong Konnect」と、Scalarの分散データプラットフォーム「ScalarDB」を採用した。Kong Konnectで統合的なAPI・認証管理を行い、複数サービス間をセキュアかつ高速に連携させる。また、ScalarDBをハブとして機能させることで、複数データベース間の強固なデータ整合性を維持し、サイロ化されていた既存データの横断的活用を実現する。

 システム刷新を機に、AI駆動開発を導入した。設計・実装・テストといった開発工程の大半をAIが担うことで、開発工数の70%以上を削減できる見込みである。これにより、人間は分析結果の理解やリファクタリング方針の判断、業務要件との整合確認など、より高度な意思決定に集中できる環境を整える。常石造船 執行役員 経営管理本部 情報戦略室 室長の森悟志氏は「変化に即応し続けるためには、ITの主導権を自社が握る完全内製化が不可欠と考えた」と説明する。

 今回刷新するシステムは、常石グループの造船セグメント各社で利用可能なマルチカンパニー仕様として開発を進めている。「1業務・1システム」の考え方の下、業務ごとに利用システムを標準化/一本化することで、運用効率の向上と管理負荷の低減を図る。将来的にグループ全体の競争力を高める共通DX基盤として、水平展開を進めていくとしている。

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