[事例ニュース]
人材サービスのワールドインテック、入社面接の候補者評価にAIを導入、音声解析で面接内容を評価
2026年6月12日(金)IT Leaders編集部、日川 佳三
人材サービスのワールドインテック(本社:福岡県福岡市)は、入社面接の候補者評価にAIを適用した。音声解析技術を用いた商談評価が可能なTISの「SalesMAPs」を2026年6月に導入し、面接内容の要約、評価観点ごとの整理、申し送り用レポートの作成などに活用する。PoCでは、判断の平準化や振り返り時間15%減などの省力化効果を確認したという。TISが同年6月12日に発表した。
ワールドインテックは、研究・臨床、製造・物流、建築・プラント、ITなどの各種技術・技能分野における人材派遣・紹介・請負などを請け負う人材サービス企業である。福岡県福岡市に本社を置く。
同社は人材採用において「意欲」や「ポテンシャル」を重視している。しかし、人材採用時の合格基準や判断根拠を個人差なく明確に示すことは難しく、経験に依存した属人的な判断が優秀な人材の取りこぼしにつながっていた。また、面接後の振り返りや申し送りにおいて、文字起こしや評価シート作成など手作業の負荷が高まっていたという。
今回、商談評価で実績があるTISの営業管理ツール「SalesMAPs」を人材採用面接に応用した(画面1)。「話している内容(テキスト)」と「声のトーンやスピード、抑揚(音声)」など複数の要素を組み合わせて分析することで、発話内容だけでは把握しにくい応答傾向や状態変化を整理する仕組みである(関連記事:TIS、オンライン商談SaaS「SalesMAPs」を提供、複合感情分析で商談内容を可視化)。
画面1:「面接評価AI」のPoCで実現した面接レポート画面のイメージ(出典:TIS)拡大画像表示
導入前の2026年1月から3月にかけてPoC(概念実証)を実施した。熟練面接官へのヒアリングから得た評価観点をAIがアルゴリズム化し、定量・客観的な観点で再現し、フィラーや発言割合など人手では見えにくい要素もデータ化。採否の最終判断を面接担当者が行う前提で、実運用を想定して評価を実施している。
PoCの結果、AIによって判断を平準化できることが分かり、2026年6月の本番導入につながった。「AIが多面的な評価を提供することで、経験の浅い面接担当者でも候補者の特性に気づきやすくなり、合否の境界線にある候補者を客観的な基準で評価できるようになった。従来であれば気づけなかった可能性のある“採るべき人材”を見落とさずに済むようになった」という。
事後業務の省力化にも寄与した。音声データから自動で内容を要約し、6つの評価観点ごとに定量スコアやコメントをレポートとして可視化することで、面接の振り返り・申し送りにかかっていた工数が減る。面接の振り返り時間が15%減ることを見込めるなど、実運用レベルで省力化効果があることを確認した。
ワールドインテックは今後、面接評価AIを判断補助ツールにとどめず、採用プロセス全体に適用する。面接評価AIによる「採用面接時の評価データ」と人事システム上の「入社後のパフォーマンスデータ(活躍度・定着率)」をかけ合わせて分析し、「どんな人材が長く活躍するか」を定量的に可視化し、分析結果を面接の評価モデルに還元して採用の精度を継続的に向上させる。
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