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[技術解説]

生成AI時代のデータ統合基盤、そして「コンピュータ」の姿とは?

米ユニコーン企業DevRevが提唱する、ナレッジグラフ&AIエージェント基盤を理解する

2026年6月12日(金)田口 潤(IT Leaders編集部)

企業システムや各種SaaSが管理する様々なデータを統合し、「ナレッジグラフDB」に集約する。これを主メモリー上のプログラムやデータと見なし、ナレッジの処理に適した“CPU”であるLLM(大規模言語モデル)で処理する──。それこそが生成AI時代のコンピュータであると言われたら、どう思うだろうか。荒唐無稽でも意味不明でもない。これは米DevRev(デブレブ)が実際に提供している新プラットフォームの姿だ。

 分断されたデータから得られる知見は少ない。様々なデータは統合してこそ、真の価値を生み出す──。こうした考え方の下、これまでデータウェアハウス(DWH)やデータレイク、データレイクハウス、さらにはデータメッシュやデータファブリックといった、多様なデータ統合の手法や技術が開発されてきた。

 しかし、これらは「AIエージェント」が自律的に動く生成AI時代にも通用するだろうか。主に人間による分析や従来の機械学習を想定してきた既存のアプローチは、生成AIやその延長線上にあるAIエージェントが主役となる環境では限界を迎えるのではないか。そんな疑問を抱いていた時、極めて有力なソリューションを開発する企業に出会った。

 2020年に設立された米国のユニコーン企業、DevRev(デブレブ)である。同社は、企業が運用する様々なシステムやサービスから、構造化・非構造化を問わず必要なデータを取り込み、ノード(頂点)とエッジ(辺)からなる「ナレッジグラフ(Knowledge Graph)」という形式で統合する技術を開発。データ活用によって顧客の成功をサポートする製品を生み出してきた。

 同社の取り組みはそこにとどまらない。詳細は後述するが、ナレッジグラフには生成AIと極めて相性が良いという特徴がある。その強みを生かし、同社は自社ソリューションを、AIエージェントを開発・実行するためのプラットフォームへと進化させた。その名称は「Computer(コンピュータ)」。「生成AIをCPU(中央処理装置)とする、生成AI時代のコンピュータ」だという。

 筆者は最初にこれを聞いた時、「宣伝としても大げさではないか」「一般的な名詞すぎて商標は取れないはずなのに、なぜその名にしたのか」など、違和感を禁じ得なかった。だが、その詳細を知るにつれ、今は「言い得て妙」だと納得している。まさに生成AI時代のコンピュータを名乗るに値する。唯一の解ではないにせよ、ナレッジグラフは生成AI時代に求められるデータ統合基盤の、そして「Computer」は次世代の企業情報システムの理想像を、それぞれ提示していると感じるからだ。

 以下では、DevRevという企業の背景やナレッジグラフの特徴、そして新プラットフォーム「Computer」の全貌を解説する。同社製品を採用するか否かに関わらず、ここには生成AIの業務利用を前進させ、関連技術の先行きを見通すための重要なヒントが隠されている。

●Next:DevRevの出自と問題意識

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