CIOの育成策、情報処理技術者試験の再編から改めて考える
2026年3月13日(金)CIO賢人倶楽部
「CIO賢人倶楽部」は、企業における情報システム/IT部門の役割となすべき課題解決に向けて、CIO(Chief Information Officer:最高情報責任者)同士の意見交換や知見共有を促し支援するユーザーコミュニティである。IT Leadersはその趣旨に賛同し、オブザーバーとして参加している。本連載では、同倶楽部で発信しているメンバーのリレーコラムを転載してお届けしている。今回は、りそなホールディングス ITセキュリティ統括部 兼 IT企画部 島本栄光氏によるオピニオンである。

読者の皆様は、日本企業の情報システム責任者や担当者、技術者の育成に大きな役割を果たしてきた、情報処理技術者試験制度の見直しが現在進んでいることをどの程度ご存じだろうか。関心がない方もおられるかも知れないが、私はこの試験制度の見直しは、CIOという役割や位置づけ、およびその育成について改めて考え直す好機だと考えている。そのことをまとめた拙文にお付き合い願えれば、幸いである。
CIOのスキルは今も体系的に整理されていない
CIO(Chief Information Officer:最高情報統括責任者)という立場・役割は、1980年代後半に米国で生まれた。企業活動におけるITの重要性が高まると同時に複雑さが増す中、経営レベルでITを統括する職責が必要とされたためだ。日本では1990年代後半に欧米でのCIOの活動が紹介され、必要性が認識され始めた。「西暦2000年問題」などを契機として、経営陣がITリスクとIT投資を強く意識するようになった時期に広まり、現在に至る。
当初、CIOは「情報システム部門のトップ」という色合いが濃かった。現在では、ITを通じて業務や事業そのもののあり方を変えていく立場と位置づけられる。経営戦略とIT戦略のつなぎ役となり、IT投資の優先順位を決め、データ活用や業務変革を後押しし、経営変革をリードする立場でもある。技術を深く担うCTOや、デジタル施策を前面で推進するCDOと異なり、「情報」と「情報システム」を軸に経営全体を俯瞰して見る視点が特に求められている。
このように日本企業でも定着したCIOだが、そのスキル体系や立場・役割については必ずしも体系的に整理され、広く認識されているわけではない。このためにCIOを巡っては2つの大きな課題があると私は見ている。1つは次世代のCIOを育てる環境が整っていないこと。スキル体系が整っていないので当然であるし、今、CIOに就いている方にとっても、これは悩ましいことかも知れない。もう1つは、CIO同士の横連携や情報交換の場が十分整備できていないこと。その結果、それぞれのCIOが持つ知見を、社会全体において効率よく活かすことができないのである。
●Next:“CIOの登竜門”情報処理技術者試験の再編、これからのCIOやIT部門責任者に求められるもの
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