[市場動向]
日立、ネットワーク運用・設計を効率化するAIを開発、図面などの非構造化データを解析
2026年2月10日(火)IT Leaders編集部、日川 佳三
日立製作所は2026年2月10日、通信キャリアなどのネットワーク運用・設計業務において、図面やメモなどの非構造化データを自動で整理・構造化するAI解析技術を開発したと発表した。ファイル内部のXML情報と画像情報を組み合わせた「クロスモーダル解析」を用いることで、従来は活用が難しかった現場データの検索や再利用を可能にする。今後、鉄道や電力など他の社会インフラ分野への展開も視野に入れる。
日立製作所は、通信キャリアなどのネットワーク運用・設計業務において、図面やメモなどの非構造化データを自動で整理・構造化するAI解析技術を開発した。
ファイル内部のXML情報と画像情報を組み合わせた「クロスモーダル解析」を用いることで、従来は活用が難しかった現場データの検索や再利用を可能にし、ネットワークの監視や障害対応、機器の設定変更、工事計画などに活用できるようにする(図1)。
図1:ネットワーク運用・設計現場の業務を効率化するAI解析技術の概要(出典:日立製作所)拡大画像表示
通信キャリアのネットワーク運用・設計現場においては、ネットワーク構成図、トラブル対応記録、工事計画など、定型化されていない非構造化データが日々大量に生成されている。「これらは市販の表計算ソフトやスライド作成ソフトなどで作成され、形式が統一されていないため、従来のAIでは解析が難しく、障害原因の特定などの際、過去のトラブル事例やノウハウを必要な時に即座に引き出せないという課題があった」(日立)。
今回開発した技術は、こうした非構造化データをクロスモーダル解析によって自動で読み取り、整理するもの。具体的には、ファイル内部に記録されたテキストなどの「XML情報」と、見た目の「画像情報」の2種類を組み合わせて解析を行う。
解析は2段階で実行される。第1段階では、XML解析と画像解析を個別に行い、データ全体を広い視点で捉える。第2段階では、それぞれの解析結果を照合し、一致した部分は確定させる一方、不一致だった部分については注目範囲を絞って詳細に解析し直すことで、認識精度を高める仕組みである。
日立が公開ネットワークモデル「JPNM(Japan Photonic Network Model)」を用いて同技術の効果を検証したところ、図形の関係性の認識などで、従来の単一モーダル解析と比較して高い精度を示した。ネットワーク構成図や対応記録の自動認識精度で約80%を達成できる見込みを得たという。
同社は開発したAI解析技術により、「熟練者が作成した図面やメモをだれもが活用できる知識として共有できるようになり、障害発生時の迅速な復旧や、サービス品質の向上、業務効率化につながる」としている。
日立は、顧客とのPoCを通じて同技術の有効性を検証すると共に、鉄道や電力など他の社会インフラ分野への展開も視野に入れる。今後、通信キャリアやデータセンター事業者との実証実験(PoC)を経て、同社の「Lumada 3.0」を支える基盤技術として実用化を目指す。
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