[調査・レポート]

中小企業層でハードウェア支出増、組立製造業は業務アプリに積極投資─ノークリサーチ

DX投資意欲が高い近畿、自動化やペーパーレスを推進

2025年12月22日(月)IT Leaders編集部、日川 佳三

ノークリサーチは2025年12月22日、年商500億円未満の中堅・中小企業企業におけるIT支出の推移を発表した。IT市場規模の総額は前年比横ばいの約1兆4452億円となった。年商5億円未満の層で大幅減が見られた一方、他の多くの年商区分では支出が増加傾向にある。特に年商5億~50億円層ではハードウェアが、製造業では業務アプリケーションの伸びが顕著だった。地域別では、近畿地方のDX投資意欲が高く、自動化やペーパーレスなどが市場を牽引している現状が明らかになった。

 ノークリサーチは、中堅・中小企業におけるIT支出の推移を調査した。2025年7~8月、国内全業種の年商500億円未満の中堅・中小企業を対象に、ITベンダー/販売会社などから実際に導入した製品・サービスと支出額をヒアリングした結果を集計している。1300社の有効回答を得ている。

 2025年の中堅・中小向けIT市場規模の合計値は1兆4452億2000万円で、2024年(1超4862億5000万円)と比べて概ね横ばいだった。年商別では、小規模企業層(年商5億円未満)で大幅減、中堅・中位企業層(年商100~300億円)で微減である点を除き、他の年商区分では増加した(図1)。

図1:中堅・中小向けIT市場規模(出典:ノークリサーチ)
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 図2は、年商別のIT市場規模の一例として、年商5~50億円(中小企業層)におけるIT支出を、5つのカテゴリーごとに集計したものである。「業務アプリケーション」と「ハードウェア」が増加しており、特にハードウェアの増加幅が大きい。

図2:年商5~50億円(中小企業層)における商品カテゴリ別のIT支出(出典:ノークリサーチ)
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 図3は、年商5~50億円(中小企業層)におけるハードウェアの支出内訳である。「サーバ/ストレージ機器」と「ネットワーク機器」の占める割合が相対的に高い。一方、「PC/スマートフォン/タブレット」の占める割合が最も高い年商区分も複数存在する。

図3:年商5~50億円(中小企業層)におけるハードウェアの支出内訳(出典:ノークリサーチ)
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 図4は、業種別のIT市場規模の一例として、組立製造業におけるIT支出を5つのカテゴリーごとに集計したものである。「DX関連ソリューション」と「業務アプリケーション」が増加しており、特に業務アプリケーションの増加幅が大きい。

図4:組立製造業における商品カテゴリ別のIT支出(出典:ノークリサーチ)
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 図5は、組立製造業における業務アプリケーションの支出内訳である。「基幹系システム」、特に生産管理システムは本業に直結し、業務アプリケーションの市場規模においても高い比率を占めている。

 「顧客管理系システム」は2番目に高い。「中堅・中小市場においても、納期回答や受注予測の精度向上などを目的に、生産管理システムと営業支援システム(SFA)の連携が進みつつある」とノークリサーチは分析する。

図5:組立製造業における業務アプリケーションの支出内訳(出典:ノークリサーチ)
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●Next:地域別のIT市場規模比較で抜きん出たのは?

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