[事例ニュース]
トヨタシステムズが「レガシーコードラボ」を設立、AIを駆使してトヨタグループの基幹システム運用を支援
2025年11月27日(木)IT Leaders編集部、日川 佳三
トヨタシステムズ(本社:愛知県名古屋市)は2025年11月27日、トヨタグループの基幹業務システムを中長期的に運用していくにあたって、生成AIを駆使してシステムの開発・保守・改修作業を支援するバーチャル組織「レガシーコードラボ」を同年10月に設立したと発表した。同社の取り組みを支援する日本IBMの人材も同組織に参加する。両社は2026年中を目途に、同ラボ発で実際の開発センターを設立することを計画している。
トヨタシステムズは、トヨタグループにおいて生産・物流・販売などの基幹業務システムを開発・保守運用している。近年は、基幹システムやCOBOL・PL/Iなどのレガシー言語に精通したエンジニアが高齢化し、人材の育成や確保、スキル継承が求められているという(図1、関連記事:肥大化したシステムのムダ、4カ月で約半分のスリム化にめど─トヨタシステムズがレガシーシステムをカイゼンできた理由)。
図1:デジタル化とレガシーモダナイゼーションを両輪とするトヨタシステムズのデジタルシフト計画(出典:トヨタシステムズ)拡大画像表示
そうした中、日本IBMの支援の下、2023年からは生成AIを用いてCOBOLやJavaの仕様書からソースコードを生成したり、既存のソースコードから仕様書を生成したりといった、AIを駆使した開発の実証に取り組んでいる(関連記事:トヨタシステムズ、システム開発に生成AIを適用、コードや仕様書を自動生成)。
その過程で同社は、これまでと同等の開発生産性や品質を確保しながら、レガシー言語による開発経験がない人材がシステム開発に携わることを可能にする開発基盤として、生成AIを駆使した「TG4X(Toyota Systems GenAI for DX)」を構築している。
取り組みの一環で、2025年10月に、基幹システムの開発・保守運用においてTG4Xの活用を推進するバーチャル組織「レガシーコードラボ」を設立した。レガシー言語においても将来にわたる開発力を確保し、既存のレガシーシステムを中長期的に継続運用できるようにする。
同ラボのメンバーとして、トヨタシステムズと日本IBMの両社から、基幹システムの開発経験者やAI技術者、若手の人材が参加する。両社は2026年中を目途に、同ラボ発で実際の開発センターを設立することを計画している。また、同ラボの繁忙期には日本IBMの地域DXセンターと協業することも検討し、変動する開発需要に柔軟に対応できる体制の構築を目指す。
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