[事例ニュース]

トヨタシステムズ、システム開発に生成AIを適用、コードや仕様書を自動生成

IBM watsonxを用いた検証を経て実業務に適用

2024年7月11日(木)IT Leaders編集部

トヨタシステムズ(本社:愛知県名古屋市)は2024年7月10日、COBOL/Javaの仕様書からのソースコード生成や、反対に既存のソースコードからの仕様書生成といった生成AIを用いたシステム開発の検証について発表した。検証は「IBM watsonx」を用いて2023年12月から実施し、成果を確認し、2024年7月から実業務への適用を開始する。

 トヨタシステムズ(本社:愛知県名古屋市)は、COBOL/Javaの仕様書からのソースコード生成や、反対に既存のソースコードからの仕様書生成といった生成AIを用いたシステム開発の検証について発表した。検証は「IBM watsonx」を用いて2023年12月から実施し、成果を確認し、2024年7月から実業務への適用を開始する。

 トヨタシステムズによると、同社ではCOBOLで構築・運用するシステム/アプリケーションの維持・改修に対応できるスタッフが不足し、業務が逼迫していたことから、この領域の知見やノウハウの継承が急務だったという。

 そこで、システムの開発・運用・モダナイゼーションに生成AIを活用することを検討。有識者依存からの脱却と、生産性向上による余力の創出を目指して検証に取り組んだ。

 「IT変革のためのAIソリューション」(図1)を提供する日本IBMの支援の下、複数の開発部門で生成AI検証チームを編成し、実際の開発プロジェクトを題材とした「コード生成」と「仕様書生成」について検証し、効果を測った。その結果、有識者関与率の削減や開発生産性向上につながる成果を確認した。また、若手のスタッフがレガシー言語に興味を持ち、積極的に取り組むという効果も得られたという。

図1:「IT変革のためのAIソリューション」の概念図(出典:日本IBM)
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 検証結果を踏まえて、有識者の知見を大規模言語モデル(LLM)に移植する取り組みや、プロンプトチューニングによる出力結果の精度向上、トヨタ独自の開発標準書式を用いた仕様書の出力などを進める。並行して、仕様書からのコード生成と、ソースコード情報からの仕様書生成を、2024年7月から実業務に適用する。出力結果の精度向上には、生成AIと他の技術を統合するオーケストレーション技術も活用する。

 トヨタシステムズは今後、生成AIの活用による省人化・自動化を進める。その活動によって、「大規模基幹システムのモダナイゼーションを促進し、システム開発を抜本的に見直す」としている(図2)。

図2:デジタル化とレガシーモダナイゼーションを両輪とするトヨタシステムズのデジタルシフト計画(出典:トヨタシステムズ)
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